2008年6月

2008年6月30日(月)
朝ちょっと創作。昼頃園子さんと電話がつながる。普段のしゃべり方に戻っていてホッとしつつ残念。夕方まで病室で寝ていられるということで夕方まで創作し、バスで町まで降り、郵便局ポストに「雪」のゲラを突っこんでその足で病院へ。園子さんにゆうべのことをきく。「点滴打たれてとき、ア、アタシ、すごいいま喋ってるなっていうのはわかってるだけど、それは止められないのね。で、こっちの病室きて、そして目をつむったらなんかチョー気持ち悪いものが見えてきたの」「それは模様とか?」「いいや、なんか変なアニメってゆうか、ほんと気持ち悪い絵で、ヘンリー・ダーガーとシスコの絵をすっごくリアルにしたのが、モンティパイソンのオープニングのアニメがあるじゃない、あんな風にどんどんこっちへ押しよせてくるの。目をつむると必ずそれが見えるの。だからすうっと気持ち悪い幻覚に悩まされた夜だったんです」。ゆうべのキモチワリーは気分が悪いというのでなくほんとに気持ち悪い物が見えてたんだネ、スッゲーナー、センパイ。退院の手続きとり、晩ごはんは、開店直後のれいざんにいくと地方政治家とかその関係の人とかがいてイヤー、地方政治家ってコーユーのかー、と思った。人が親切にこの椅子使いますか、ときいたら、ハエを避けるみたいにシッシッ、とやった。こっちもお返しにシッシッ、とやった。オアイコだね。晩ごはんは、春巻き、しゅうまい、アスパラのカニソース添え、冷やしサンマー面。園子さん幻覚の後遺症か漢字のコンピュータゲームをえんえん。目が座っている。

2008年6月29日(日)
朝に少し創作。昼ごはん食べ、ちょっと病院いってみようということでいったら、一泊していったほうがということになって園子さん一泊することに。点滴で麻酔しているあいだ病室で、先週から五回目くらいの細雪下巻めくりながら待つ。どうぞーと呼ばれてナースステーションを通っていくと、針を腕に刺したまま園子さんが寝ころんでおり、イヤーあたい、大丈夫、ダイジョウブ、という。さっきまで青い顔だったのに、いまは赤いねというと「デショー、なんかそんな感じしてたんだよねハハハ、ハハハハ」とすごいハイテンション。「ネー、もうそろそろサー家さがさないとネ、アタイ門の付いたお屋敷がいいナー、ぶらんこもお付けなさいませ、ハハハハ」「園子さんラリってますね」「エー、やっぱソー、アタイもそんな気してたんだー、ハハハ」。陽気で病気な園子さんの枕元でコールド・ターキーの話する。クスリが切れた禁断症状のことをコールド・ターキーっていうこともあるしものすごく上等で鳥肌もののクスリのことをコールド・ターキーということもある。「ンジャーさ」と園子さん。「アタシ、今度アメリカいったラ、バーとかレストランでこう頼むネ、アイ、ウッドライクトゥ、ハーブ、ア、コールド、ターキイ、サンドイッーッチ、プリーィズ!」。車椅子で病室に運ばれ、ベッドに横たわってしばらくすると園子さん、キモチワリー、キモチワリー、とうなされはじめ、しばらく様子を見ていたらそのままダウンしてしまう。起きる様子ないのでタクシーで家にカエル。晩ごはんは塩豚を軽くソテー、カブの葉のマリネ、マリちゃんのパンたべる。

2008年6月28日(土)
朝からマンマ創作。イヤー、自動車にも詳しくなるよネー、ユッコ。そういえば今年も山のぼったり下ったりのソロソロ自転車レースだ。もはやロバの時代ではない。エー、非道イオー。などとひとり口のなかでいいながら夕方農協までの往復し、畳に寝っ転がってゲラを二種類交互によむ。ロバ、自転車、ロバ、自転車。晩ごはんはサバの唐揚げ野菜あんかけ、カブの葉のおしたし、茹でとうもろこし、茄子の味噌炒め、じゃこ天にチーズとトマトを載せて焼いたもの。じゃこ天が「コレ、ワッターシデスカー」と日本人まるわかりの外人なまりで驚いていた。食べていっそうオードローキマーシタ! 園子さん真夜中に腹痛。

2008年6月27日(金)
朝からサーテ創作。これだけ四国いって佐藤さんとか大竹さんに会って書かへんというのはありまへんて。別冊文春に書く四回目の四国の話はやはり藍が主人公の話になった。シカシなー。ユッコかいなー。あっという間に西空が黄金色の夕方。入山辺の農協まで田んぼを四十分走る。松本パルコの地下の本屋さんへいきキューティーなど雑誌買う。晩ごはんは、いわしの梅煮、じゃこ天、大葉と挽き肉のチヂミ、そら豆、かぶと塩昆布の漬物、カブの葉のナムル。チヂミとはこんなにうまいものだったのか。店出したら行列だっせといったら園子さんイヤーと照れて縮む。

2008年6月26日(木)
朝起きてヨッとシャワー浴びず新宿駅でパン買いあずさ号。天気よいというか松本はエライ暑いではないか。6日ぶりに会う山っ子の園子さんは白くなっていてオー頭に雪が。家に帰り着き、たいへんゆっくりと風呂。大竹さんからのオミヤゲ見せる。渡す。感激す。クロネコがタタタと階段を駆けあがり宇和島のじゃこ天もってくる。電子メールをみるといつのまにか文学賞をもらっていたようでたいへん有り難いことです。それは東京の校正の会社がはじめた文学賞で一年に一回そこの社員の人らで、これまでに読んだいちばん面白かった本に与えてくれるのだそうです。電子メールで返事を書くと7月にトロフィーをもってきてくださることになった。ユッコも勝手に賞作って人にあげチャオウかな。いまいちばん髪型のオモロイ人に「男は、あ、た、ま」賞トカ。晩ごはんは、ホタテとアスパラのオイスターソース炒め、えのきと小松菜のおしたし、ピータン豆腐、アジのなめろう、そして二種類のじゃこ天。まぼろしのめす猫はじゃこ天に頬刷りしているのはそれは宇和島が恋しいからさ。

2008年6月25日(水)
朝からぐったり。昼前にいろいろ変更があり、ドッシヨッカナー、とユッコ風に思いながら近所の定食屋でそぼろ丼ターベタ。夕方、河出書房の坂上さんと合流し渋谷の巨大ホールで原田郁子ショー。終演後、高山さん、原田さんと三人、付けひげで記念写真。尾形さん、武田さんとタクシーで移動しながら話す。尾形さん武田さん先にカエル。バトンが引き継がれるように吉住さんと原宿で合流し、二階のベランダのような角張った店で、寿司ロール、オニオンフライ、サバのマリネなど。食べているうちここでインタビューを受けたことがあるのをメレンゲの口触りのように思いだす。それからタクシーで連夜の上海クラブ。舟木さんきていてお菓子の話うかがい、素晴らしい麹町のクッキーの青い缶いただく。中身もヨカッタ。ウイスキー数杯でフラララと店の外。また兄宅へ。

2008年6月24日(火)
七時起きで朝うどん。これは大竹さんの町内の人たちが朝の集会っぽくやってくるセルフうどん屋で初めてのユッコはおばちゃんに作ってモラッタ。やらこくてオイシー。午前中ホテルで創作し、11時チェックアウトでズルズルトランク引きずって大竹さんお宅へ。そしてトランクにシェル&オキュパイ。貝と占をくっつけるとサテ。これまでにない世界がアラワレル。お昼はきのうのうどん屋でカレーうどんを食べた。倫子さんから園子さんへと上等の塩いただく。ビーじっと見ている。大竹さんご家族の皆様ビー本当に本当にありがとうございました。宇和島二時発の電車で松山へ。初めていく松山の美術館で五時過ぎまでイタリア人の絵を見る。松山空港からの飛行機の時間はゴーゴーゴー、の5時55分。ゴーと飛び上がり日本列島を前線のように北上しそして羽田、モノレールで有楽町にいき大きいという英語ではないカメラ屋の前でリトルモアの熊谷さんと合流し、地下のヴィエトナム料理屋へ。鉄割のせいちゃんのご両親のお店でいつか来ようとおもっていた。リトルモアで連載している「雪」という小説に忽然と仏領インドシナのヴィエトナム語が出てきたので、その発音の具合を従業員の女性に教授してもらう約束で、今日は熊谷さんと来たのである。生春巻き、揚げ春巻き、パパイヤサラダ、お好み焼き、ゴーヤと肉炒め。テープレコーダーがあったほうがいい、ということに気づき英語の綴りがちがう巨大なカメラ屋へダッシュ。その間僕がいかに機械音痴かという話をきいて熊谷さんはものすごく心配していた。いきなりアイロンとか買ってくるかと思っていたと思う。そんなことはなくゲラ録音なんとか完了。健康が大切な熊谷さんとは駅で別れ、青山のタマさんの店上海クラブへ移動。カウンターにせいちゃん、住吉さんすでにいる。オミヤゲくばる。凸凹神堂のマツタケアメに店内騒然。しかしなによりもシンボルロック。「しん園歌謡」CD焼いてくれー焼いてくれー。メラメラー。アジー。11時頃孝典が上野の精養軒のパーティが終わって参加。ギャラリーエフの皆さんとビール飲んでいたらしい。「兄ちゃんあんなー、ケイコさんは初め、俺がほんまにこの展示やりたいんかどうか分からへんかってんてー、でもなー、途中からなー」ととてもいい話。皆耳傾ける。しばらくたって孝典「あのなー、ケイコさんな初めな、俺がほんま何やりたいんか分からないて思ててんてー、けどなー」アーそう。でもさっき聞いたし。しばらくたって孝典「今日ほんま嬉しかってんけどケイコさんがなー、俺なー」とここで孝典が実はベロベロに酔っぱらっていることに皆気づいた。徳島、宇和島の写真スゲーとのこと。タクシーで分乗し中目黒へいき、薄暗く若向けだが妙なバーにはいる。三時過ぎまで。住吉さん孝典タクシー。せいちゃんのタクシーに便乗し代官山の兄宅へカエル。歯磨きしても歯に合わない。

2008年6月23日(月)
寝坊。そして凸凹神堂に駆けこむ。ウワー世界一だ。と一目で立ちすくむ。孝典の携帯電話に大竹さんからかかってきて興奮気味にここすごいですねと話すと「アー、ゆっくり見たらイーヨー」とのことでゆっくり見る。似たようなものとか志を同じくする場所は日本じゅう世界じゅうにあるだろうけどここは世界一だ。陰毛コレクションて何だ! 何で指があるんだ! 宇和島というか四国に行く人は是非ここへ行こう。グッズコーナーも充実していて土鈴と金のお守り、松茸飴、おみくじ、そして「凸凹寺秘宝譜」一巻二巻三巻をカッタ。曰く「性は宗教なり、哲学なり、道徳なり、科学なり、生命なり、人生なり」。ヤ〜ッパ、シィンボルだよ根〜、と辰つぁん。孝典とよろめく足で大竹さん家へいく。家のアトリエ見せていただき、お茶をいただき、孝典はレンタカーで「兄ちゃん忘れもんないな、ないな」「ナイヨ」といった感じでひとりで出発。宇和島のうまいうどん屋で名物のチャンポンを食べタクシーで昨日につづいてアトリエへ。着いてまたガーンとなり、「なんでもいってくらはいよ」といったら大竹さんは「ンジャー草抜きやっか」ということになって少し黙々と草取りやるがこれはきりがない。抜いたらそこからプシューと生えてくる。プシュー、プシュー。滝のパワー。「モウ、きりがねえよ」といって大竹さんはパイプに胃をじゃねえ火を付けグワーと宇和島の空へ煙を吐いた。玄関のところでお茶のみながら、20年だよ、という話。東京いたらマッチガイナクこんなになってなかったよ。時間の話。もう折り返してるって。そして大竹さんはタケニナガワの次回の展示用の作品を選びはじめ、アタイはボーとアトリエで過ごし、あちらこちら空間を移動していきながら昨日と構造が変わっていないことに、変わっていないのが当たり前なのに驚く気持ちになった。ソウカー、見た目は変わっていないけど、もちろん変わっているのだね、牛や海と同じにね。凸凹のようにね。孝典から大竹さんの携帯電話にかかり、かわってもらって聞くと「トランクに、取材ノートと段ボール箱と着替え入ってるやん! バリバリ忘れもんやん!」と本気で怒ると言うより呆れていた。スマヘン。町中へもどり、いったんホテルで創作をし、七時前に大竹さん宅へ。サッカーのイタリアとスペインの録画した試合を大画面で観戦。トルコの試合の話を熱っぽくしているとビーじゃれビー怒られる。宇和島日日のスクラップ作品。ポスターやチラシ類。郷土料理の店へいき、鯛飯とフカとじゃこ天。そして宇和島の名店「タイガーアンドラビット」へ。宇和島話、サティの話、ピカソの家の話、クマの話、デュシャンの精液の話など店じまいまでする。歩きながら牛鬼の話。巨大商店街に他に人の影はない。もういっぺんストーンズのバーへいくと天井のテレビで見たことのないクイズ番組を流していた。二杯ずつ飲んで帰る。

2008年6月22日(日)
ユキちゃんで四国横断。徳島松山自動車道。そして宇和島。ホテルで着きましたと電話すると「ジャー待ってていま行く」といって、そして十分後大竹さんと奥さんの倫子さんが紐の先で動きまわるものを連れて宇和島駅まできてくれた。動きまわるものはパグ犬のビーだった。CDナンマイダ三枚だ。というのは、本来は僕と園子さんが一緒にいくはずだったので、大竹さんは「しん園歌謡」という題のCDを、素晴らしい歌謡曲ばかりのオムニバス盤に焼いてくれていた。しかも「歌謡編」二枚組、「スロー編」一枚。頭上に掲げ、ビーと倫子さんに手を振り、ユキに三人で乗りこんでいきなり「しん園歌謡」ぶちこむ。ちきゅうって亀の上。有名な覗き岩にいき、女優さんの写真、古いゲーム、藤棚など見る。空気が町のほうからこちらへ流れてきて岩のむこうで一周しそして戻っていくという感じがするのは空間と時間がここで変わり目になっているからだろうか。そしてアトリエへ。まわりは畑や山や鳥がいるところでここだけ日本じゃない地球じゃないという建物がある。ジャーどこだ。亀の上さ。新しい倉庫、そしてアトリエ兼倉庫。しばらく大竹さんが案内してくれたが言葉がほろほろと解けて墜ちていった。その墜ちていく空間をすべて受け入れるくらいの広大な空間が目に見えるアトリエの向こうにあり、自分が乗っている亀が生まれたその場所へアトリエごと突き進んでいく感じがする。棚に突っこまれた一枚一枚の絵にそれぞれの瞬間と宇宙がある。大竹さんが中二階、二階というかどんどん継ぎ足していったフロアを案内してくれる。通常の町や家や野外で使っている方向感覚がここではなにも役立たないが、別の感覚が呼び起こされ螺旋状に広がっていく。昨日の寝床とちがうのはここはいま醗酵の沸点にあってずっとそうありつづけていることだ。そしてここにいる人も藍のように醗酵していく。僕はアトリエ内にいるあいだずっと人間の形の穴になっていて、そこから自分のなにかがアトリエじゅうに噴水のようにまかれ煙がたちのぼるのを感じていた。そしてコッチ、と大竹さんに呼ばれ庭の石段を下りていくと急流がありそのむこうにすげー滝が墜ちている。アトリエの敷石も、滝も川も、もともとこの敷地をもっていた人が設えたものだったが、それが途中のまま大竹さんが入り、石や庭を大竹さん曰くテッキトーに組んだらこーなっちゃった、とのこと。時間と空間を飼っている、とおもった。上流にある滝もそうだったが加えてここは名水の場所で宇和島の人たちがペットボトルで水をくみにきているが日本でもっともパワーのある水かもしんない。孝典とふたりモーローとするなかンジャーと街中へ降り、自動車を置き、ホルモン屋はいっぱいなのでちょっと離れた焼き肉屋へ歩いていった。予定していたものが売り切れで大竹さんは少しショックをうけていたが、でもおいしい宇和島の牛文化。牛鬼のような人は誰もいない。大竹さん行きつけの80年代ミュージックビデオのかかっている店で宇和島の母に会う。エアー話で盛りあがる。エアー画家とか。エアー妻とか。残念ながら12時でしまい。といってバーボン一本アキマシタ。近所のストーンズ色の濃いバーへいき、ソーダ割り一杯で帰る。東京と違い宇和島の夜は健康的。しかし興奮さめやらぬ兄弟はホテルで冷蔵庫のウイスキーを全部あけ、アトリエや偉大さの話を夜通しする。シンボルロック歌う。

2008年6月21日(土)
土曜なのでわりと空いている山手線に乗り、品川駅で孝典と合流し、京急で羽田へ。徳島空港まで羽の生えた鉄の棒で一時間弱。途中で細雪よむ。薄曇りの天気。空港前のマツダレンタカーで借りた自動車のなかでおにぎりを食べ、孝典の運転でスタート。カーナビの声は女の人で、やたらルートを変えるのに文句もいわず「三百メートル直進、右方向です」などといっている。細雪にちなんでユキコと名づけよう。なーユキちゃん。メー。空港から三十分ほどで藍の街、上板の、すくも師のなかのすくも師である佐藤昭人さんのお宅へ。顔から身体からもうなにか立ちのぼるものが違う、人間の風格。応接間に通され、紙の資料いただく。事前にどれだけ本を読んでも佐藤さんの声をきくのとは物がちがう。実際の藍玉の手触り、乾燥させておいたらいつまでも持ちますよ、とのこと。藍を寝かしておく寝床という建物に入らせてもらう。孝典さっきから興奮して中腰になってシャッターを押しまくっている。薄暗い寝床には確実になにかいた。仕事場の二階で道具を触らせていただく。藍の畑に案内していただくと葉の色のこの深みはいったいなんだと見入る。葉の一枚一枚、底の知れない池をのぞきこんでいるみたいに深い。藍かー。藍こなしの巨大扇風機。あまりに立派すぎる顔。佐藤さんに深々と頭をさげ、自動車に乗って孝典と顔を見合わせ、イヤー、すごかった、と息をついた。県道をいったん西へむかい、「うだつ」の街、脇町というところへいく。うろつきまわる「うだつ」のあがらない兄弟。高速道路で徳島市内へもどり、ホテルに荷物を置いたら土砂雨が降ってきた。で、ヤンダ。前に園子さんが、ここ絶対いいですよ、といって入ろうとしたら一杯で入れなかった店にほとんど開店の時間にいくと入れた。たまねぎサラダ、わかめサラダ、鯛、サバの刺身など、どれもこんなにうまいかとおもった。園子さん猫の鼻。前いったバーらしいバーへいくと、マスターは入院していた。若者のいるバーで音楽をきいた。そして老人ふたりでやっているすばらしいバー。いないいないバー。ふたりで脚をからませて帰りネル。

2008年6月20日(金)
朝からトランク引きずってあずさ号で新宿。お茶はひさしぶりに唐物。頭がカラッカラもの。五時過ぎに代官山の兄の家にトランクを置き、公衆電話からラム相談。というのは、宇和島へ何かおもしろい酒をお土産にもっていこうとおもって、それならマー、ラムがいいかとおもって、東京のこの近辺ならどこで品数が売られているか、弟に電話してきいてみると、ホナいま兄ちゃんにきいてみるからいっぺん切って、といわれいっぺん切って五分後に電話すると、兄は弟からの電話をきき即タマさんに電話してくれ、タマさんがいうには、うーん僕もあんまり知らないんですけど渋谷のドコとドコとかなー、という返事を兄、弟を経由して公衆電話でうけとった。ミーナサン、どうもありがとう。渋谷へ出て百貨店の地下食品売り場あまりない。別のの地下食品売り場もあまりない。ワインとグラッパだけになってて、バスローブ来てJBの踊りで近づいていきながらグラッパ! いうて渡すのもちょっとな、とおもって兄に電話し、あんましないわ、と話すと、いま銀座にいて、銀座に品数の多い洋酒屋があるから買っていってやるという有り難い言葉。パルコの地下で取り置きしておいた吉増剛造買う。ツタヤの地下で兄と合流。さすがに疲労。しょんべん横町は混んでい、代官山へ戻り「すずき」。おでん、アスパラ、ポテトサラダ、牛肉などたべる。タマさんのバー上海クラブへラムもっていく。御礼。深酒。二時頃帰って歯磨き。

2008年6月19日(木)
重苦しい天気だわ。風吹いているわ。チチチと鳥鳴いているわ。ウソだわ。ホンマや! ホンマか! ウソていう名前の鳥なだけやわ! チチチ。朝は創作。昼前から雨降り、ずっと藍調べ。夕方本郷の工房へいって先生に生の藍、本物の?触らしてもらう。ウーン、そうか、藍は女の子だったか。ヨーロシク、藍ちゃん。晩ごはんは、鶏のバルサミコソース焼き、グリーンサラダきのこ添え、ミドリの唐辛子の焼きびたし、茄子とシーチキンの炒め物。長旅の荷物つくると家のなかは暗い。深夜だねー。チチチ。。

2008年6月18日(水)
イエー夏。といってもずっと藍染めの本。折口信夫あたる。図書館で徳島と宇和島を調査しようとすると大量にありすぎ、ワー、もうわけわからーん、と頭に手を当てて膝をついていると、ブロロローと豊田市の自動車で園子さん迎えにきてくれる。家で倒れていると大和さんがいま獲ったで、と野菜をもってきてくれる。ロバは二十日大根ならとても好きですよエンドウもサニーレタスもサンチェもネギも好きですだってロバだから。晩ごはんは、小松菜と油揚げ、青豆冷や奴、貝柱と青梗菜、アジ刺身。たまっていた民族博物館の会報誌「みんぱく」よみ眼福。ダンテアレアレギレギレギレよむ。

2008年6月17日(火)
また夏だラ。そしてポンプグワーの日々。というのは書いている部屋の前の畑、うしろの畑、横の畑でいっせいに排水ポンプがグワーと鳴りだすことですがもうゼーンゼン慣れた。朝から創作。昼過ぎにオワル。東京新聞の「味蕾小説」という短編で舌がいろいろ動く女の話。夕方、平田医院まで送ってもらい鍼ではなく指圧。前よりエラク痛く、どーしてですかね、平田先生指とがりましたか、ときいたら、前より張ってるでね、といわれる。終わってから道端に座り通り来る野良猫をつぎつぎにじゃらそうとしたら全部無視された。園子さん迎えキチくれる。そして食堂でどうして食パンを食っているのですか。それは、と園子さんは口をもごもごとさせ、なんといったかわかからなくなった。ヨシ。喜多さんから展覧会の案内くる。孝典に電話し旅程相談する。晩ごはんは、春菊のごま和え、きゅうり鴨味噌和え、冷やしトマト、ちょいカタイ枝豆、てんこ盛り肉じゃが、イワシの塩焼き。食後、山極寿一さん出演のテレビみる。マージャン牌のゲームにはまる人と藍染めの本をめくるひと。

2008年6月16日(月)
ヤッパ夏ですかラ。昨日草刈りをやったせいか締め切りでもない原稿を朝からざんざん書いていく。CDジャーナルの原田郁子エッセイ、熊本現代美術館の映画祭、西南大学の大学生向けの原稿、そしてトタンギャラリーというところから頼まれた終わりに関する原稿。書いていたら園子さん帰ってくる。まぼろしの猫ガクリ。マーネー、きこえない音を引っぱっても芋のようにはいかない。孝典に電話。夏は体力付け、てことで明月館。大量の牛、牛、僕の牛。園子さん冷麺すすりこむ。家でダンテアレギレギレギレよむ。

2008年6月15日(日)
ウワー暑いな夏みたいラ。夏には語尾にラとカタカナを付けると似合うことがいまわかった。発見ラ。朝からずっと創作。昼寝。創作。ジャングルの草刈りやる。だんだん意地になってくるが園子さんホホホと頓知坊主のように笑う。刈っても刈っても、抜いても抜いても、表面をさっといじくっているだけで庭全体のジャングル感には影響なく、なんや芋の皮むいてるみたいや、と捨て台詞を吐いて鎌を投げ捨てる。マイルス本よむ。晩ごはんは、ほうれんそう、もずくトマト、茄子の味噌炒め、いろいろサラダ、ポークソテー。枝豆かー、夏ラー! 寝るまでダンテアレギーよむ。

2008年6月14日(土)
朝から電話をかけているともうすぐ地震があるとテレビの放送で流れ、見守っているとホンマに地震おきた。仙台には親戚がいるシ。昼まで創作し、昼に家の本棚の痴人の愛よむ。昼から母とともに父の運転で堺東のギャラリーへ。生活団の恩師太田先生が絵の個展を開いている。八十から絵をはじめ、八十八歳ということで、水彩に油絵など間近で見るにつけ、目でなにかを見るということの大切さについておもった。ただ見える、というだけでなく見ること。太田先生に挨拶をし、堺東で電車待ち。母は各停で帝塚山、僕は快速でなんば、新大阪、名古屋。しなのでガタガタ松本に近づくにつれだんだんとからだ痛くなる。園子さんは一日ぶりでも園子さん。ソラソーカ。家について、岩手に木造の立派なご実家のある千葉さんに電話する。だいじょうぶよ岩手広いから、といわれ、そして「だいたい四国とおんなじくらいだからね」といわれ仰天し受話器をおいて慌てて地図をみてみるとホンマやわ。スゲーナー地理。晩ごはんは、とうもろこし、小松菜、炙り厚揚げ、千葉さんマチガエタ千葉産のアジ刺、ピーマンと細肉炒め。呼吸すると背中と胸が痛い。よくよく見ると亀の甲羅がはりついていてナーンダとばりばりはがしたらすっきり楽、というふうにはいかない。ちゅん。

2008年6月13日(金)
朝からお茶。イー天気。からっとしていて東京なのに松本みたいで梅雨とはおもえない。初炭、花月。オリスエの上がり下がりに注目しているうち目が菱形になる。新宿から東京駅で五時過ぎ発ののぞみ、八時前に新大阪。チンチン電車のなかで声をかけられ見あげたらキレイなメガネの女の人で一瞬誰かとおもったら中学時代から知っている倉石さんだった。ギター弾いてたのはおぼえているけどソウカー、お互いがんばろうと握手をし、万代池の前で電車おりる。晩ごはんは日生のチヌ、瓜と油揚げ、白和えなど大阪らしいおかず。父帰る。焼酎のむ。父と犬。大阪らしいえげつない話をきき三人でハーと息をつく。

2008年6月12日(木)
朝から電子メールで大竹さんと宇和島情報。午前中創作し、午後一時、園子さんとお茶の水で合流し駿河台の三省堂へ。吉増剛蔵「表紙」かう。中華料理をたべて恵比寿へいく。写真美術館の売店で孝典へのオミヤゲ買い、見ていなかった映画「長江エレジー」みる。イヤーものすごい映画だった。おっさんのランニングと携帯電話はすごいし、最後の乾杯とふとんはもうなんだこれはというくらい素晴らしい。今年みたなかでいちばんですな、というと園子さんはエエー、と一回驚き、でもしんじさんならそうでしょうねといった。売店でTシャツとアメリカン。銀座の百貨店で袱紗と扇子かう。ギャラリーエフへいきこれが孝典のエディルネ展見納め。孝典はエフの息子のようになっていてまあどこでもそうかもなと少しおもった。二葉の裏の鳥鍋屋で水炊き。園子さんにはケモノくさい鶏だった。尾久へかえり大江健三郎の洪水よむ。

2008年6月11日(水)
午前中創作。で、やっと「雪」第二回できた。ハハ、と自分に笑う。クロワッサン原稿はクロワッサンへ、雪の原稿は真夜中へ。昼の冷や麦を食べ、午後は創作。ミギャー、薄いわ。夕方麻布十番で園子さんと合流し歩いてタケニナガワギャラリーいく。タケさんといろいろ話しシスコすすめる。歩いて居酒屋「はじめ」にいき、納豆、おから、野菜サラダ、枝豆、もずく、薩摩揚げ、アジフライ、という完璧な注文をする。平らげて園子さんは「あたいウニ丼たべていいれすか」といってさらに完璧さを完璧にする。それとおしんこ。こんなオイシイたくあんはナイね。麻布十番駅で手を振って別れ、またホテル帰る。したらゲラ。ハハ。

2008年6月10日(火)
パンとタマゴ。朝からクロワッサン。なんも考えずに書いたらカバンとルルの話になった。アー驚いた。そして完成。昼は冷や麦。午後は創作。でも三時に出発し、地下鉄から京急に乗り、四時半に三崎口着。まるいちまでバスでおりていくとのぶさんはけったりーよモー、とこぼしていた。魚を美智世さんがとっておいてくれたのはトコブシ、アジ、トビウオ、カマスだった。これにスルメの丸焼き、かわはぎの煮付け。ア、魚のことじゃない! まるいちに来たのは神奈川新聞のインタビューのため。店頭で話し、食堂で話し、アリガトウゴザイマシタ、ということになって初めてさっき書いた魚が出たのでした。フー、ユッコひさびさの三崎ダカラあせっちったヨ。ビール、日本酒二杯、三崎口まで送ってもらい、京急で東京へ。三崎へ東京から日帰りって引っ越す前の2001年の秋以来か。ホテルでゲラ。

2008年6月9日(月)
めざし、ほうれんそう、豆腐みそ汁など、すばらしい朝ごはんいただき、十時からお茶の水のホテル。チェックインを早くしてもらったんだよネ、ユッコ、子どもダカラ。で、創作。お昼は冷や麦たべて、晩まで創作。こんなのジミー時田だよ。夜の神保町散歩してみる。ホテルのバーには金を使うことに慣れている感じのおっさんらがたむろしている。中華弁当食べて創作。夜中ネル。

2008年6月8日(日)
早朝創作。七時ちょうどの朝ごはん。十時の飛行機は十二時前羽田で跳ねた。バスでまっつぐ赤坂プリンス。喫茶店で母と兄と克典がコーヒーとワインのんでた。マー。園子さん合流。ニャー。ゆうべの和食屋のごはんがいかにすばらしかったか。よかった。青山一丁目の野菜カレー屋へいきみな黄色くなる。タクシーで乃木坂に移動しウングワレー展みる。ウワー、たのしそうやねー、と母はいった。巨大な音で携帯電話が鳴り、むこうの話し声も雷鳴のようだ。ウングワレーの雨乞いか。二周して満足。トットット。浅草へいくとマキコおばさん、セイコおばさん、エミねえちゃん、青木さん、父。孝典は猫のようになっている。母、兄、克典、園子センパイ、ユッコ。タマさんくるヤッホー。みなで記念写真とる。ふたごの写真とる。ぞろぞろと二葉へ。揚げ出し豆腐、あさり酒蒸し、焼き鳥三種、唐揚げ、五目釜飯。父よく飲む。いい座敷でした。タクシーで両親と克典おくり、タマさん、兄、孝典、園子さん、アタイでエフに戻る。ちょっと飲んでタクシーで帰る。

2008年6月7日(土)
朝八時半の飛行機で博多。スタインベックよみながら広いシート。福岡空港で読売新聞の生島さん出迎えてくださる。西南学院にいって会場をみて、対談相手の北垣さんと簡単に話したあと、学内を案内してもらった。茶道部のお茶会に座り、博物館で建築家と大学の創設者の展示を見た。使われている大学構内は無骨なコンクリートで耐震構造に問題がありそうだけど人間の感じがあってアタイレンガ造りよりこっちのほうがおちつくな。堂々たるチャペル。元寇の土塁。会場に戻り、大学のみなさんとお弁当をいただき、午後一時半イベントはじまり、まずコラージュのディスクをぐるぐるまわして全員でからだあたため、読んだのはブローティガンとか梅崎春生とか佐伯一麦とかゼーバルトとか、そしてステージにテーブル出してもらい、「北垣、徹は」といつものように書きはじめた。なんとなくわかったのですが、A3の画用紙やコピー用紙に書いていくと時間がわりと長く(一時間前後)、ふだん使っているノートに書くと短くなる傾向があり、書く速さは「きー、た、がーきー」といういつも変わらないクロールの速さなので書く分量もちがう。この日は前半が朗読と創作、後半が対談と、時間が決まっていたので、早く終わるつもりでノートを使ったらちゃんと二十分ぐらいで終わった。オシマイというと拍手があり、休憩をとるはずだったのが北垣さんがステージに駆けあがってきて「驚いた」「驚いた」と興奮気味にレンパツ、そのまま対談にはいりました。「たったいまいしいさんが作った小説と僕の実生活」」といって共通点をあげていく。通勤に使っている自転車がバイクだった、以前は朝が弱かった、そして小説だと北垣さんは火事になるのですが最近罹った病気がまさしくそんなイメージで、また、マンションの感じ、猫に餌をやる場面など。ソウカー、という感じ。質疑応答の質問がおもろかった。この場所の名物みたいおっちゃんが手をあげ「あたしは、小説家っていうと川端康成とか、渋い着流しとかいった印象があるんですがね、いしいさんは普段からいっつもそんな格好ですか」「ハイ」「なんだか、小説家に見えませんな。どっちかというと手品師だな」といいながら上品なおっちゃんだった。対談のあとはサイン会で、卒業生でもある本田くんが熊本につづき参加してくれた家族ぐるみで。あとで生島さんが「いしいさん、さっきの小説に出て来ましたが、北垣さんがジャズの熱狂的なマニアだってことは知ってたんですよね」。ソレハソレハ。いったんホテルにチェックインしにいくとなんかラスベガスみたいやなとおもったら中州にあるからか、とおもった。そして西南のそばにもどり、大学近所のじゃがいもという店にいった。じゃがいものフライ、ピザ、刺身など食べる。まむしを長くつけすぎてもう味が出ないまむし酒のむ。こういうまむしは幸せなのかそれとも屈辱なのか。考えてふと気づくと、落ちついた居酒屋風の店に移動していた。サッスガまむし。刺身と焼酎。ジャズ話ジャイアント。おおぜいに見送ってもらいタクシーでホテルへ帰る。荷物つくって水のんでバタリ。

2008年6月6日(金)
午前中創作。トランク引きずり園子さんとあずさ号。冷房の風イヤン。車掌の腰が安定しないのは肥えすぎなのかそれともあずさが飛ばしすぎか。新宿から、園子さんは銀座方面アタイは歯医者行きで恵比寿。地鳴りのような声の歯科医に上の歯はほめられ下の歯は怒られ、まさしく半笑いといった体。複雑な経路たどり地下鉄で浅草へ。エフの前の縁台で孝典にマ、マ、とビール。そうこうするうち園子さんと尾久の父母到着。あまりにも巨大な写真にお父さん呆然。こういうもの、現代美術的な馬鹿馬鹿しさはふだん滅多に目にふれない。泉ちゃん猫話。エフでお茶のみ、トランク置いたまま孝典も連れてうなぎの初小川いく。三崎に引っ越す前日、引っ越しを手伝ってくれた孝典と最後に東京で食べたごはんがここの鰻重だった。肝吸いおいしい。またエフに戻る途中、二葉に駆けこんで日曜日の予約をする。タクシーで浅草から尾久へカエル。

2008年6月5日(木)
すっげー曇り。創作。ずっと。大竹さんとやりとりし、今月半ば宇和島を訪問することになった。また、素晴らしい東京のギャラリー、タケニナガワのこと。今年の春、喜多順子さんの展示をみにいって一番乗りになったあそこでいま大竹さんの個展をやっててしかも九月まで三回展示替えをするというのはすごい。ひと月くらいで話がまとまったらしい。イーネー、スピードー。志村先生に電話し、お茶一回休み。佐伯一麦さんの新しい小説いただく。題名は「ピロティ」。目が声を出して読んでしまう。青木淳「原っぱと遊園地2」再々読すばらしい。園子さんはユッコ的女子大生のハガキを見てフフフ、と笑う。晩ごはんは、ほうれんそう黒ごま和え、トマトのもずく和え、れんこんと豚バラの炒めもの、ゴーヤきんぴら、鴨味噌きゅうり。ジョルジュ・ペレックよむ。夜はあさって使うディスクを制作。小説の文庫や単行本のページを70パーセント縮小コピーしたものをA3の紙三枚にペタペタと手貼り。

2008年6月4日(水)
けっこう晴れてヨカッタ。創作。午後も。頭重く、ちょっと昼寝した。付けひげを七種類画用紙でつくった。夕方園子さんと着替えて音楽会へ。自動車で信号待ちしていたら、園子さんがア、と反対の歩道を指さし、見たら郁子ちゃんが松本の町を散歩していた。脇ガーラガラ。ライブは裸足の彼女が弾くピアノがはじめは頑固なおっさんのようだったのが郁子ちゃんが快調に叩くのにほだされダンダン軽くなっていく、という楽器と弾き手の対話が展開されてすばらしかった。新しいソロ・アルバムの発売日がこの日だった。客席まで駆けてきて釣りをしていた。音楽はたのし。楽屋で抱き合った。そのままへし折りそうになった。おみやげはうちに二冊あったウングワレー画集の一冊、文庫本、開運堂の白鳥のお菓子、そして付けひげ。郁子ちゃんは付けひげをつけ、発売日のCDのサイン会にサッソーと向かった。晩ごはんは帰りに、ユッコはえび塩ラーメン、園子センパイ、塩ラーメン味玉のせ。きいてみるとライブとCDではまたそれぞれがまったくちがう生き物。CDジャーナルから原稿依頼。

2008年6月3日(火)
早朝にシャーッとニューヨーク。ボニーからダンの初舞台話が電子メールでとどき驚愕、そのまま原稿に書く。ようやくヨムヨム終わり、芸術新潮の原稿と立て続けに電子メールでおくる。エライ世の中になったもんや、なー、お浜。アイ。午後は園子さんに映画いこうといったら嬉しそうに笑って「今日は男性1000円の日」といった。マイケル・ケインがでているというそれだけで「スルース」という映画をみにいったら脚本がハロルド・ピンターで仰天した。監督はケネス・ブラナーだった。そうすると当然、美術も脚本もマイケル・ケインもジュード・ロウもすばらしくオモシロイ映画になる。探偵小説の作家のおっさんマイケル・ケインとその妻の浮気相手のあんちゃんジュード・ロウが、おっさんの家で対峙し、つばぜり合いをやるというふたり芝居で、これは「探偵」という映画のリメイクなのだが、その前の映画ではマイケル・ケインがあんちゃん、おっさんをローレンス・オリヴィエが演じているという。ピンター脚本映画は他にもみたけど題名おもいだせない。晩ごはんは、鴨味噌きゅうり、お好きにアスパラ、そしてターピーエン。園子さんしきりに咳している。原田郁子さんから連絡あり。連絡すると明日松本市民芸術館でライブとのこと。「いしいさん、エミリー・ウングワレーという画家を知ってますか。わたしはまだ見に行ってないんだけど、いしいさん、絶対好きだと思う」。ハハハと笑う。

2008年6月2日(月)
曇りだホイ。窓をあけて芸術新潮。昼過ぎにオワル。エミリー・ウングワレーについて。来月の芸術新潮。編集者の柴田さんは話をもってきてくれたとき僕がニューヨークいって帰ってすぐで締め切り6月頭かー、といっていたら、ウングワレーは、いしいさん、絶対気に入ります、はっきりいって自信があります、とはっきりいってくださり、それじゃー帰ってきてすぐ行きます、とこたえたのですが、柴田さんの予言通りだった。ありがとうございます。園子さん滑りのよい名の鳥の店から野菜とかつおもって帰ってくる。午後はヨムヨム。ウウ、背中痛くて歯が痛い。シンケーだよねー。背中にマイルス・デイヴィスの音当てる。アンマ効かない。晩ごはんは、ほうれんそうとしらす、そら豆、かつお刺、まだいたのですか木村さんのトマト、レバニラいため。NYで撮ってきたディジタル写真モニターに映す。操作がむずかしい。ルル写真、ディズ写真、寿司写真。園子さん次はぜってー行きますと拳にぎる。

2008年6月1日(日)
ワーいー天気だナー。窓をしめて芸術新潮。芋かー。昼からはヨムヨム。おばさんがエプロンで手を拭きながら、マッタクモー、どんだけ長くなりゃ気が済むんかね、といって去っていく。アンタ誰? 夕方座敷を覗くと園子さん寝ている、とおもうとガバリと起きあがりスタタタと台所へ。晩ごはんは蒸しとうもろこし、ミニきゅうりと木村さんのトマト、肉じゃが、ブロッコリーとアスパラのごまひたし、アジの塩焼き。とうもろこしは茹でるのでなく蒸すのが当然おいしいですがとうもろこしで走る自動車の燃料のため値段が高くなってくのは閉口れすね。自転車レースはミラノのタイムトライアルだがハッと気づくとなんだか全部おわっていた。園子さんとうに寝ている。




ごはん日記でおなじみの
「まるいち魚店」
▼新刊 発売中▼

●「四とそれ以上の国」(文藝春秋)より発売中

いしいしんじ

【PROFILE】
作家。大阪生まれ。現在、三浦半島の三崎と信州の松本に在住。著書に小説『ぶらんこ乗り』『トリツカレ男』『麦ふみクーツェ』『東京夜話』(新潮文庫)『プラネタリウムのふたご』(講談社文庫)『ポーの話』(新潮社)『みずうみ』(河出書房新社)など、エッセイ・対談『その辺の問題』(中島らも共著/角川文庫)『人生を救え!』(町田康共著/毎日新聞社)などがある。お酒好き。魚好き。メカおんち。きれい好き。

いしいしんじの水洗コーナー
2009.09.10
アトリエダンカン「トリツカレ男」
湯浅湾 港
主演の原田郁子×いしいしんじの対談です!
natalieの特集記事はこちら>
【最近の仕事 2/18更新】
▼ 出版予定 ▼
●単行本「赤ずきん」文いしいしんじ 絵ほしよりこ
(フェリシモ出版)
▼ 出演・催し物など ▼

●冬のメトロ大學「蓄音小説の会」
講師 いしいしんじ


第一部「その場小説」/第二部「蓄音ライブ」

前半、ステージの上で僕が小説を書きながらそれをライブハウスらしい爆音でマイクで読んでいきます。鉛筆を削る音や紙がこすれる音も拾います。
後半は、ブルース、ロックンロール、ジャズから得体の知れない音源まで、20世紀の様々な音楽の、オリジナルの音源であるSP盤を、最強の再生装置「蓄音機」でかけまくります。たぶん「レコード」に関して持っているイメージが爆発します。(いしい)

場所:京都クラブメトロ
日時:2月24日(水) 7:00PM 開場
7:30PM開講→9:20PM終講予定
入場料:1500円(1DRINK付き)
詳しくはこちら >>
ご予約メールはこちら >>
※公演日、お名前、メールアドレス、希望人数を明記の上お送り下さい。

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●いしいしんじの花まつり
@曹洞宗 萬亀山 東長寺


日時:4月8日(木) 開場19:30/開演19:45 
会場:曹洞宗 萬亀山 東長寺
東京都新宿区四谷4−34 TEL: 03-3341-9746
丸ノ内線新宿御苑・四谷三丁目駅/都営新宿線曙橋駅 各駅より徒歩7分

【内 容】
「その場小説」と「蓄音機」の二本立てです。まず、お経を詠んでもらったあと、小説をその場で書きながらマイクで読んでいく、ということをやります。どういうものになるか、その時になってみないとわかりません。原稿のコピーを一枚ずつ、来場した皆さんにさしあげます。それから、ブルース、ロックンロール、ジャズから 得体の知れない音源まで、20世紀の様々な音楽の、 オリジナルの音源であるSP盤を、 最強のタイムマシーン・蓄音機で聴いていただきます。「レコード」とは、こういう音がするものだったのか、と驚愕することうけあいです。
(いしい)

入場料:1500円
ご予約メールはこちら(住吉智恵)>>
お問合せ:東長寺 03-3341-9746

▼ 連 載 ▼
●「自転車日和」(辰巳出版)にて
エッセイ「自転車A面B面」
●「京都新聞」夕刊 第1・第3月曜日にて
「京都猫文字日記」 こちらでご覧いただけます>>
●「真夜中」にて長編小説「雪」
●「読売新聞」にて「本のソムリエ」(不定期)
●「クロワッサン」にてエッセイ「ああ驚いた」
●BAR FLOWにて小説
「みち子の叫び」(CLIPPING 310141)
スクラップブックを使った佐藤理との共同作品
「祝い酒」(POSTER 141310373)ポスターを使ったOSDとの共同作品
ほぼ、月一回連載中

BAR FLOW
港区赤坂8-13-19インペリアル赤坂一番館地下B102
TEL.03-5474-1885
(18時から26時まで営業、日祝休み)

▼ 寄稿・書評・コメントなど ▼

●週刊文春9月11日号に書評 
「四人の兵士」ユベール・マンガレリ著・田久保麻里訳
●別冊文藝春秋四月号にて短編小説
「渦」
●芸術新潮4月号にて紀行エッセイ
「バルザックの家とフジタの家」
●考える人春号にて海外小説
ベスト10アンケート+ドストエフスキー『白痴』エッセイ
同人誌「イルクーツク2」に小説
「塩浄瑠璃」

●別冊文藝春秋1月号に小説「峠」
●芸術新潮12月号にエッセイ
「踊るきのこ 南方熊楠の菌類図譜」
●週刊文春12月6日に書評
「灯台守の話」 (ジャネット・ウィンターソン著・岸本佐知子訳)
●別冊暮らしの手帖
「わたしの好きなインテリア雑貨」
にてエッセイ「わたしと本棚」
●かまくら春秋11月号にて
エッセイ「野性のエレキ」
●エスクァイア12月号にて
エッセイ「ハワイをやる」
●新潮社「波」11月号にて
「ジョン・アーヴィング『また会う日まで』刊行記念座談会」
●「圓太郎馬車」(正岡容著・河出文庫)に解説
●本の雑誌8月号にてエッセイ
「私のオールタイムベスト10 ばさばさと「めくって」きた本たち」
●飛ぶ教室夏号にて
短編「リキテンシュタインの法律」
●「西の旅」夏号にて短編小説「船」
●「パピルス」8月号にて短編小説「小包
●「ナンプレファン」8月号にてエッセイ「自分でも呆れる思いこみベスト9」
●東京人6月号にて座談会
「作家と画家、街の歩き方」
鬼海弘雄×大竹伸郎×いしいしんじ
●銀座百点五月号にてエッセイ「タッちゃんとカッちゃん」
●新刊展望五月号にて対談「『みずうみ』の水面と水底」(デザイナー・池田進吾氏と)
●ビッグイシュー日本版
69号にてインタビュー
特集「わからないからおもしろい」
全国のホームレスが駅前などで一冊200円で売っています。110円が販売者の収入になります。 
●「パウル・クレー 絵画のたくらみ」(新潮社・とんぼの本)にエッセイ「オルフェウスの庭で」


【e-mail address】
mail@mao55.net
【mao55編集部からお願い】
上記メールアドレスで、いしいしんじさんへ連絡をとられる方はメールのタイトルを「mao55編集部【いしいしんじのごはん日記】」と入れてください。「はじめまして...」、「○○と申しますが...」、「ご無沙汰して..」、「至急...」、「会ってもらえませんか」などのタイトルはジャンクメールと処理される場合がありますので、お願いいたします。

【主な著作】

●「三崎日和-いしいしんじのごはん日記2」新潮社より発売中
●「東京夜話」新潮文庫より発売中
●「いしいしんじのキューバ日記」マガジンハウスより発売中
●「いしいしんじのごはん日記」新潮文庫より発売中
●「雪屋のロッスさん」
メディアファクトリーより発売中
●「人生を救え!」
(町田 康 :いしい しんじ)角川文庫より発売中
●「人生を歩け!」
(町田 康 :いしい しんじ) 毎日新聞社より発売中
●「トリツカレ男」
新潮文庫より発売中

坪田譲治文学賞受賞作
●「麦ふみクーツェ」
新潮文庫


●「ポーの話」
新潮社

●短編集
「白の鳥と黒の鳥」
角川書店

文庫版「ぶらんこ乗り」は、新潮文庫の100冊にはいりました。
●『ぶらんこ乗り』
新潮文庫

●『絵描きの植田さん』
ポプラ社


●『プラネタリウムのふたご』
講談社


第18回坪田譲治文学賞 受賞作品
● 『麦ふみクーツェ』
理論社

●『トリツカレ男』
ビリケン出版)

【amazon.co.jpで買える
いしいしんじさんの著作本はこちら】


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