2009年12月

2009年12月31日(木)
午前中から男は皆は掃除、女性陣は台所でおせちの陣。泉之介くん、惠くん連れて克典夫婦来る。パ喜び。例年の通り、重光おじさんがそばを持ってきてくれて、すぐに帰った。午後からは年賀状の文言書き。なんとか今年じゅうに全部おわり、たばこ屋の前のポストから日本全国に送りだす。日暮れ、園子さんが含み笑いしながら携帯電話をさしだし、留守番電話を聴いてみると熊本の本田くんからで思わず笑った。ソーカソーカ。晩ごはんは、鳥南蛮。そしておじさんのそば。このそばのうまさに、もはや驚きがない、というところにあらためて驚きを感じる。素人なのに、このレベルが当たり前になっている。鳥なんばんを鍋で煮立たせそこにゆでたてのそば投入しズルルとすする。ヒヒン、酒馬。パチはおとなしいが吠えるときは吠える。これも例年通り、孝典の年賀状図案を5種類くらい描き、かわりにニューヨークの写真を見せてもらう。これが10年ちょい前にアメリカから帰ってきて、「ピント合ってねえな」といわれた人間の撮った写真か。という感慨抜きに、二枚ずばぬけてすばらしい光の束がそこにあった。園子さん隣にきてしみじみ眺める。今年は引っ越しと京都の奥へ奥へ探検するという年だった。来年はどんな光の射す年になるでしょうか。京都、大阪、東京、松本、三崎、日本全国、ニューヨーク、パリ、世界じゅうの猫の友、パチの友、人の友の皆様の上に、ラッキーの暖かい雨が降りそそぎますように。来年は寅年。ハーバ、ハッピー、ニューインヤー、オーブ、寅グールグル。

2009年12月30日(水)
日中年賀状の絵入れ。寅寅寅。むかしべっとらの寅子の顔が怖かったなあ。園子さん今日も大忙しで出入り。わたしは大阪へ持って帰る酒を求め國田屋へ、そしてなくなった金ペンを求め文具屋へ。夕方5時、ようやっと大阪の家に、いまから出るわと電話。おけいはんに担がれ、御堂筋線、天王寺からタクシー。ひさびさの大阪だけれどその間に老オス犬パチは去勢され、母から、パ、としか呼ばれなくなっていた。パ、吠えず。パ、デモちょっとじゃれる。兄と孝典はすでに東京から帰っている。ちゃぶ台で寅の絵入れつづきやり、日暮れ頃、カミヤさんのおばちゃんに京都土産の千枚漬け届ける。父は町内の人らとの火の用心の夜回りに出かけ、晩ごはんは、父を除いた全員で豆乳鍋。はじめは普通だが、だんだんと俄然おいしくなってくる。「ヒノー、ヨージン」と遠くの闇で夜回りの声が聞こえ、すると母は腰を浮かせ、「フフフ、チョット行ってこよかしら」といって、タタタと声援を送りに出て行く。「こんでええんやー」と照れて怒鳴る父の声がヒノヨウジンに混じって町内に響く。食後パ遊び。今年の兄セレクション映画のDVD「叫」の出だし見て、園子さんキャーと「叫」、真剣にお兄ちゃんヤメテクダサイとひざまづく。

2009年12月29日(火)
朝から二階の部屋にこもってずっと年賀状宛名書き。園子さんの頻繁な家の出入りも気づかぬほどに。小説より集中してるかもわかりませんな。住所の名前を書くときいちいちその相手の人のいちばん最近いったことや会ったときの感じが浮かび、それだけで得した気分になる。が、腕はマア疲れます。途中で届いたレコードを磨き、休憩と称してうきうき蓄音機まわす。ビリー・ホリデイ、ストレンジ・フルット「奇妙な果実」のコモドア盤オリジナル78。曲名がどうというよりこれは音楽自体宇宙規模でヘン。ジャズでも、ボーカルですらない。こういうものをジャンルでいうわけにいかないし、レコードという以上のものだと思った。盲目レモン、マディ・ウォーターズ、エリントン楽団なんかにもこの感じはある。みんないちいちストレンジ。来年の干支、寅の絵柄は、金色の棒を縦に引っぱり、金色の横棒を途中でランダムに左右に適当に入れて、縦棒のいちばん下に鼻と目を加えるというもの。寅は書きやすくわかりやすい。終日寅ばかり描いて目がつりあがってしまった。園子さんは知らぬ間に家の内外の空気を完璧にしていた。チャオ。風呂に入り、晩ごはんは湯豆腐、ダツの干物、板わさ、れんこんと豚肉のピリ辛炒め、小松菜と揚げ。食後ももちろん年賀状。

2009年12月28日(月)
寝覚めにスリム・ハーポ。この人の曲はほんまに風呂場の鳩みたい。簡単に掃除し、リュック背負って、まるいちへ挨拶。牡丹に顔だしたらご主人に伝説のチャーシューと秘伝の焼売もらった。行った先々で物もらって、園子さん「これじゃ山賊です」という。みんなに手を振って三崎口、品川、駅のそば屋で速攻のそば食べて、のぞみちゃんで京都へ戻る。「新幹線の前の列車と後ろと体にかかるGは違うのかな」と園子さんはアインシュタインの特殊相対性理論に独力でたどりつく。郵便袋がたまった郵便物で蜂の巣のようになっている。パピルス「湯浅さん特集」立ったまま読む。さらにレコードが届いている。久しぶりに重いもんセンターへいって、帰りに続木さんに伊達巻きと、増田さんからのれんこんを届けたら、変わりに自由学園米と先日のお酒いただく。山賊同士のやりとり。河原町のモリカゲシャツにいき、染め上がったものを受け取る。新品みたいで驚く。むこうも驚いた声で「いしいさん、リュックから日本酒が突きでてますね」。帰って風呂、晩ごはんは、菊菜ごまあえ、ふろふき大根と水菜、ゆり根の胡麻味噌和え、板わさ、れんこんのきんぴら、焼売、ダツの干物。二階の戸棚から去年の年賀状をもってきてこたつで名刺なんかと一緒に並べていく。襖から顔を出した園子さん、やるんだね、という。やるんだよ、とこたえる。

2009年12月27日(日)
朝からもろもろ準備し、園子さんと作業着姿でまるいちへ。コンビニエンスストアでマグロ解凍法の紙をコピーし、座敷でチャンチャン折っていく。最初、発送に使おうと考えていた箱が、ちょっと薄汚く、新しい箱を百数十買ってもらえることになった。アリガタヤウリツカヤ。今年はあれだけ念入りに書いたのに、まだ「代引き」以外の支払いを指定してくる人がいて、電話連絡をしてひとりひとり説明をしてわかってもらわないといけない。まるいちはお客さんに恵まれていて皆こころよく納得してくれた。そういえば去年も結局一見も苦情やまちがいはなかったらしい。中トロと赤身を冷凍紙でくるみ、解凍法と小説「マグロ」をビニールに入れて、保冷剤を入れてスチロール箱にふたをしてガムテープ。来田さん手伝いにきてくれる。途中でおにぎり食べ、作業を進めるなか、店先に安彦さん来られ、ソンさん家族来られる。梱包作業の途中いったん家に物を取りに戻る途中、八百兵に挨拶にいったらまだまだ元気なカオルさんが、いしいさん、森繁のはありゃ、付けヒゲですか、といった。いつの間に、あんなに生えてんだもんねえ、ありゃ付けヒゲだよ。マグロ梱包作業、午後8時に終了。9時にヤマトに着いていれば明日には皆さんの元へ到着する。よかったナー、マグロ。まるいち食堂で、宣さん、美智世さん、大場さん、じゅんくん、スグルくん、のんちゃん、来田さん、園子さん、僕で、今年のシメの乾杯をする。晩ごはんは刺身盛り合わせ、鯖の干物、あら汁、ビールと真澄。帰って音楽はいちご畑からスタートしてドイツ盤やアフリカの変な音楽。風呂はいってすぐにフトン。師走の三崎の夜で、闇の高速道路をピチピチ走っていくマグロたちの背びれを思う。

2009年12月26日(土)
朝に小説の書ける場所と思って、国立新美術館の図書館にいったら美術館自体が休館していた。山。ガク。乃木坂液の近隣地図を見たら歩いていける青山一丁目に赤坂図書館が見つかったので歩いていき、小説「マグロ」を書きました。天気いいのか悪いのかわからじ。新橋演舞場のそばのAMPMで園子さんと合流し、キンコーズという施設で「マグロ」を130尾に増やす。歌舞伎座へいき、武田さんと合流。晩ごはんは二階でいいお弁当。鼠小僧よかった。勘三郎よかった。勘太郎の走る姿は南座につづき全くよかった。東銀座から京急。三崎口からタクシー。園子さんと明日梱包する小説「マグロ」を折り、サイン。まぼろしの猫が前脚で手伝う。バイト代はまぼろしのマグロ。

2009年12月25日(金)
午前中ちょっと創作。1時半ののぞみちゃんで東京駅。丸善の中の喫茶店でマガジンハウス本の打ち合わせ。園子さんと八重洲口で合流し、丸善にいって、赤ずきん牛。カウ。大崎の中華料理屋で、加藤はるみ、あず、めぐと合流。豆腐と野菜、前菜盛り合わせ、名物の焼きそばなど食べる。茂博さん追いつく。格子を持って囚人の真似をするのがふたり娘に受ける。品川駅でめぐたんは園子さんにえんえん、えんえん、じゃーねー、じゃーねー、といっていた。尾久に帰る。いい焼酎いただいて睡眠。

2009年12月24日(木)
朝起きて京都新聞の連載書く。今日の午前中がほんまギリギリ、というこんな状況で書くのはたぶん初めて。終わって昼から重い物へ。かいけつゾロリの約束。終わってから3時にガケの山下さん。家出し、ドカチンをやって、油壺までたどり着いていたことを聞かされた。京都はそういうことけっこうありますよね、という話。蓄音機アワーに驚愕。5時に別れ、ロイヤルホテルで直樹さん、エリさんと合流。ますだへ。きずし、あんきも、炊き合わせ、たなご南蛮漬け、たにし、海老芋の揚げ出し、てっぱえ、満願寺唐辛子。ヴィオロンまで案内し、みなみ会館。こまどりアニメに園子さん泣く。昨日の休日はけっこう人が入ってくれたそうでアリガタヤの鐘。

2009年12月23日(水)
8時の新幹線で東京へ、品川、渋谷、用賀。用賀会館で告別式。受付にも場内にも見知った顔が。信太郎、宮崎さん、隣に座ったのは誰かとふりかえったら木村ジュジュ。女性も男性も溢れてくるほど。加藤さんが弔辞を読んだ。生前の彼がもっとも敬愛した神父さんがそこに立ち現れたかのような弔辞だった。加藤さん、信太郎と三人で代々木上原の斎場。ご家族ご親族に混じって見送る。渋谷からJR、品川から16時47分ののぞみに乗る。京都では雨が降っていま上がったところだった。みなみ座の一階席で武田さん、園子さんに合流。仁左衛門の助六、玉三郎の揚巻。終演後武田さんは挨拶する間もなく東京へ。家に帰り、武田さんが買っておいてくれたはふうのビフカツサンド、野菜スープ、千枚漬け、いかの塩から食べる。

2009年12月22日(火)
午前中ちょっと創作。10時半から南座。終演後、東京にかけて驚きの電話。ロビーで信太郎に電話で事情きき、陽美にも電話する。信國くんが亡くなった。闘病のことはじめ、知らないことだらけだった。帰って京都新聞に電話して締切を延ばしてもらい、サイン本をつくって続木さんにお届けする。丸太町でも一本はいった筋でもなぜか教会ばかり目につく。彼がクリスチャンだったことも昼の電話で初めて知った。園子さん、武田さんと、晩ごはんはおおきに屋。武田さんホテルへ帰り、園子さんが明日の一式を出してくれている間、長薗さんと電話で話し、今日前を通りかかった七つの教会を思った。彼は20年ほど前僕と同じ四年間この京都にいたのだ。

2009年12月21日(月)
冷やっこーい空気のなか起きる。寒いという感じはあまりしない。朝からバーバーストーリー。散髪屋の協会が作っている散髪屋で読める雑誌におもろい散髪屋話を連載することになった。昼過ぎにオワル。ところで、灯油のトラックが「ゆーきやこんこん、あーられやこんこん」のメロディーに乗せて売り歩く、というのは冬の風物詩ですが、先週その自動車と遭遇できなかった。園子さんとともに物陰にひそみ潜み待ち受けるうち、キタ! 園子さんダッシュでポリタンク抱えていく。4時からタオ指圧。京都のいわゆる底冷えの謎についてあーだこーだ話す。歩いて戻り、橋を渡った國田屋さんへウイスキー買いに行く。というのは、この一週間ほど、尾久からもらったウイスキーを寝酒にして、たいへん調子がよいから。棚の上の88000円のウイスキーの瓶を見あげ、その形を愛でてから、4000円のウイスキー買う。風呂はいり、ボーッとしていたら、我らが姉様続木さんが塩から、舞妓ちゃん写真、鞆の浦のみりん干し、深泥が池のDVDなど自転車で持ってきてくださる。一足早いクリスマスプレゼント、ありがとうございます。晩ごはんは、白菜と鶏団子の干し海老スープ、おろしいくら、塩から、牡蠣のバター蒸しおろしポン酢、ブロッコリーと豚肉の中華炒め。テレビ相手に文句ぶつけてヨワヨワ負けた気分。

2009年12月20日(日)
10時起きとは。起きてそのまま創作。ちょっとずつすきま風が寄せてくる二階の座敷。襖で家の中が着々と仕分けられていく。夏座敷に比べて迷路みたいになった廊下を園子さんは出たり入ったり。午後5時半にひとり、おけいはんで大阪。心斎橋はゾルゲル状に溶けた年末の人らでたいへん歩きにくかった。法善寺の正弁タンゴで小野くん、渡辺くん。再会を祝し乾杯。野上君は風邪をこじらせて欠席。法律関係の話、宗教関係の話をききながら、おつくり、なまこ、味噌田楽、野菜炊き合わせ、ワカサギ、かしわの塩焼き、牡蠣の土手鍋など。小説関係は人に話してもりあがるものでもないし。気がついたら店の最後のお客さんとなっていた。ゴチソウサマでした。地下鉄、おけいはんの中でヴァインランド。日曜の夜に大阪から京都へ帰る人はあまりいない。園子さんはテレビつけて待っていた。風呂はいってキューと一本。

2009年12月19日(土)
さらに冷えた朝。そいでもマイナス1度くらいらしい。松本生まれのアルプはなんだこんなもんでヨー、と爆笑しつつ走りまわっている。朝から創作。園子さん台所のまわりの戸板をみずから立てて真冬対策。午後ピンチョン「ヴァインランド」よむ。4時半にバス、嵐電と乗り継ぎ衣笠のお宅。玄関で迎えてくださった上野さんは、割烹着で若いうちはキレイかったんやろねえといわれる京都のおばちゃんの感じだった。上野さんはユダヤ人のようですが日本人の男性です。つぎからつぎとジャンル分けできないことをやっている人が楽しげに到着。お寺さんの慎独「独りを慎む」の話。幼稚園の時間の話も興味深い。幼稚園の男の子に校長先生であるお寺さんが聞かれた、「先生、明日っていつになったら来るのん?」。お弁当を開いてこたつ話。自家製のしおから、なまこ、きらず汁、ふなずしまで。夜中までやわらかなものが膨らんだり閉じたりしつつつづいているといった時間。10時半ごろお開き。11時半にタクシーで、続木さん、草本さんに便乗して鴨川まで帰還。皆様アリガトウゴザイマシタ。

2009年12月18日(金)
またちょっと冷えた朝。マーネ、と松本生まれのアルプは余裕。午前中創作。昼からタクシーに乗ったら運転手さんと冬の話になり、奈良からふなを岡谷へ運ぶ会社をしていたその運転手さんは、15年くらい前、マイナス24度という寒さに見舞われたことがあったというから、想像を絶する。僕と園子さんとで最も寒いときがマイナス15度くらいだったから。24度となると、たぶん唾を垂らしている途中で凍るし、滴が飛んだら空中で凍る。そのときは諏訪湖が波があがった状態で凍り付いていたそうだ。京都の人がいくら「底冷えしまっしゃろ」「別の寒さやしねえ」いうてもヤッパこういう本物の極寒に比べたら。ほんま死ぬし。わたしらふたりストーブなしでよう死なへんかったもんや。京都駅から新幹線で福山へ。今回は墓参りでなく、山本容子さんの展覧会のオープニング。ちょうどいいサイズの明るいふくやま美術館。不思議の国のアリス以上にワンダーランド。70年代の初期作品から一気に飛び、ここ10年くらいの活動のさまざまな集積を展示したもの。版画はもちろん、油絵、ステンドグラス、音楽との共作、詩との共作と、山本容子の脳内巡り、あるいは博覧会といった趣。圧巻は、本で見ていた「姫君シリーズ」。縦横斜めに物語と空間と時間の糸が張り巡らされ、部屋自体に分厚い縁の空気が充ち満ちている。時間かけて見てまわってたら手のちょっと空いた容子さんじきじきに絵を一枚ずつ解説してくれた。閉館時間までいて、事務所でお茶を飲んではる容子さん、美術関係者の皆さんに挨拶する。福山は父の実家があったところで墓参りには毎年キテマス、というこれも縁。それにしても福山の風がけっこう冷たいのに驚いた。京都へも近いのに驚いた。家に着いてお好み焼きを食べたいので最寄りの夢屋に電話すると満員で、端をわたったぞろんぱへ。牡蠣玉と、モツ塩焼きそば、大根水菜サラダ、キムチ。二頭立て馬車が家に。うまうま居。行き帰りの道中、園子さん何度も行方不明になる。解けやすい靴ひものセイデスヨ! 夜はまじ冷えまんな、といいながら鴨川を下がって家にカエル。

2009年12月17日(木)
一気に寒い朝。冷えてきたネー、冷えてきたネー、と近所の皆さんの声が玉になってあがってくる。午前中創作。転がっている転がっている。昼から重いもの持ちあげにでかけ、帰る頃には陽ざしが出て幾分あったかくなっていた。着替え、園子さんのおにぎり持って河原町通りをバス、京都駅から新幹線で名古屋、名鉄で知立、名鉄バスで愛知教育大学。中村さんが出迎えてくださる。控え室で荻野さん、藤村さんと顔合わせ。「学生時代」のこと、「たいふう」のこと、「読者」のこと、「髪」のことなど話す。それからサイン会。場内では楽しげにサンドイッチとコーヒーで楽しんでいる学生。屈折してないなー。おっちゃん申し訳ない気分になってくるよ。デモ男子学生はちょっと屈折している人がいた。いつの世にも。話でいうたら控え室で三人で話したところから始まってましたな。サイン会後、立ち話で「地名」の話、「金」の話など。記念写真ではまぶしい若者に取り押さえられたかわうそのようやった。楽しく手を振って名鉄バス、名鉄、のぞみ、タクシーで家。風呂にはいり、湯豆腐、春菊胡麻和え、アボカドサラダ、肉じゃが。電子メールの返事。クレイジーケンバンドのイベント案内はファンクラブメンバーひとり一枚のみチケットが買えるザンス。ここ四日くらい蓄音機きいてない。ブルースはもちろんですがちょっと別のものも追っかけていこうかと思いまする。

2009年12月16日(水)
ヒューと一気に冷えてくる朝。晴れてはイルケレド。午後まで創作。4時頃麩屋町竹屋町のギャラリーイシスへ。針金屋銀三展。あまりにうつくしい森と動物と光に頭がクラクラする。ホエー、と見ているとガラリと入り口のドアが開いて上野さんが入ってくる。16時間ぶりですな。園子さん指輪をえんえんと検分。と、ガラリとドアがあいて続木さん入ってくる。16時間10分ぶりですな。まあそういうことも有馬温泉。カッコイイ声の銀三さんがサイズの調整など全部してくれる。また来ます、と挨拶して歩いて堺町画廊。ラスクの差し入れし、のじこさんと話す。今日は山極さんとあべ弘士さんの対談があり満員だそうな。早川順子さんが東京から来ているらしく、あとでまた連絡します、とのじこさんに挨拶し、晩ごはんを求めて冷えてきた町徘徊。と、見覚えのある灯りが浮かびあがり、そこは昨日も今日も話題にのぼっていた四釜さんのギャラリーで、迷わず入ると13世紀からのグレゴリオ聖歌の羊皮紙が展示されていた。ごっつい仕事。四釜さんとSP盤、蓄音機の話。二条通のラマーサがいっぱいで系列店のフォゴンに。ポテトサラダ、タパス盛り合わせはオムレツ、スズキの南蛮漬け風、ひよこ豆、生ハム、海老のアヒージョ、のどぐろの炭火焼き、あぐー豚の白玉豆煮込み。プリンひと口で頭クラクラ。堺町画廊に戻るとまだ対談の途中でのじこさんが戸をあけて入れてくれた。終了後、早川さんとワイノワイノ。来年こっちで展覧会があるかも。再会を期し、手を振って分かれ、麩屋町を丸太町まで上がって橋を渡り家に帰る。

2009年12月15日(火)
晴れていて空気が張りつめている。朝からモエ連載原稿。昼過ぎに終わる。鴨川べりを糺の森まで走って帰ってくる。風呂にはいり、6時50分、丸太町橋東詰で続木さん、草本さんと待ち合わせ、タクシーで上終町。京大生のような道の選び方をする運転手さんやった。おおきに屋へ。奥の席に幸子ちゃんが恵文社の人と一緒に来ていて、二階の宴会にタコの宮島さんがいる、という不思議な同席。スタートの香草ビールで四人もう幸福感。サーモンと牡蠣のマリネ、牡丹海老ケジャン、ごはん、ミニ焼酎、ぐじ唐揚げ、ふぐとアボカドのだいだい酢、てっぴのお寿司、ぐじのお吸い物、唐揚げマーボ、直製パン、ブルーチーズのパスタ、自家製千枚漬け、いか塩から、鯛昆布締めと千枚漬けのお寿司、焼きりんご、ストロベリーアイスクリーム、コーヒー。ベルギービール大瓶四本、燗酒数知れず。愛媛のある地方ではだいだいのことを「かぶす」ということを知った。上野さんが途中から追いかけてくる。これで、レコードが穴にはまり妙なる音楽が流れ出す、か。草本さんに別府のこときいて是非行きたくなる。園子さんが別府にいったことがなかったとは意外だった。タクシーに乗って竹屋町までくだる。

2009年12月14日(月)
討ち入りの日。京都新聞猫文字日記書く。「こまねこ」と映画「桂春団治」、京一会館のこと書いた。昼から橋を渡って重いものセンターへ。横入りしてくる年上の女性がちょっと怖かった。家に帰り、なんか急に膨大に届いた電子メールの返事を書く。テ、五通くらいだケド。風呂に入り、晩ごはんは、タラと牡蠣の豆乳クリーム煮、けんちん汁、豚の生姜焼きソテー、レタスときゅうりとのりのサラダ、里芋煮っ転がしゆず和え、赤だいこん酢漬け。食べてから明日やってくる締切のことで、映画「ピクニックjのDVDを見なくてはならなくなる。が、それもマタタビな楽しみ。まぼろしの猫と寝ころび、「ピクニックの撮影風景」しばし息を忘れて見入る。グー。

2009年12月13日(日)
朝おきてフードショウ。京料理展示大会。あまりにすごすぎて笑う陳列。なかひがし、大市などはとくに、規模の大きな笑いを引き起こしていたような。両方腹に関係がありますが。それにしても梶さんのお店が器を提供してはる展示コーナーは周りに発散してる力が他と違た。梶さんご夫婦端から見てても大忙しでフッとした横顔がカッコイイ。園子さんときのぶの点心を食事コーナーで食べていると、前で食べてはるおばあちゃんの食べ方があんまりきれいで見とれて思わずお茶入れた。舞妓ちゃんは今日は挨拶まわりやのんに。歩いてまたはんこ屋、注文し、寺町歩いて帰った。風呂にはいって78かけてたらボーッとした。ハンク・ウィリアムズのでかさにびびった。あとナマズブルース。5時半ごろ循環バスに乗り反時計回りで丸太町、西大路、九条を通ってみなみ会館。そんな時間かわらん。森繁久弥追悼「桂春団治」。淡路千景、高峯美枝子、八千草薫がとーもかくキレイ。画面に大写しになるたび、場内で、ハッ、ハッ、と息をのむ音が響く。まったくひどい人間の森繁がさみしくなっていくところに生々しさがある。見終わってバスで反時計回りのまま祇園、先斗町のもつ鍋屋亀八にいった。松本にも亀八はあり、松本生まれの人はたまに食べたくなるんだよね、とかいっているのがよくわからない妙な店だったけれど、先斗町の亀八は若いのにちゃんとしてる兄ちゃんという感じの店だった。もつ鍋、レバ刺し、キムチを注文。園子さん酔っぱらう。お金はしゃあないから持ってるくらいがちょうどええのや。と初代園子さんの説にウンウンとうなずく二代目。

2009年12月12日(土)
曇ってたけどエー具合に暖かく晴れてくる。日中へと。はんこ屋さんへ歩いていく。なんのこたーない額縁屋さんのお向かい。歩いて帰り、途中で進々堂寄り、文学DJディスクのコピーと、もっていく78盤の選定。もっていってガケ書房。ト、針忘れたことに気づく! タクシーで帰り、また会場へ。阿呆。小説の話をし、いよいよ蓄音機。もっていったレコードはエルモア、エルヴィス、トミー・マクレナン、チャーリー・パーカー、ドリフターズ、チャック・ベリー、ポール・アンカ、ジョン・リー・鱶、再びパーカー、ラストはペングインズ。明らかにレコード重視のイベント。署名などしたあと、タクシーで帰り、ちょっと疲れてるので風呂はパス。クリームシチューとサンドイッチ。あとハートランド。焼酎。輸入代行業者にレコード輸入の通関申請について連絡。輸入マニアになるとこういうことまで自前でせんならん。

2009年12月11日(金)
朝から雨。家で創作、本読み。いしいまるいちマグロセットの告知開始する。松本からりんごとお手紙届く。ア、シロヤギさん食べちった! りんごまで! 園子さんはじっとうつむいてなにをやっているかと思ったらマフラーを編んでいる。誰のかといったらそれは猫用。そろそろ年賀状用のはんこ作りにいかんならんな。来年はトラやな。きりきり蓄音機を巻いて夕方、ムーングロウズ、ヴェルベッツ、コースターズなどかけてみる。盤によって声のかたまりが少し遠いもの、近いものなどある。録音マイクとの距離によるのだろうが、サックスなどソロの前こっちへ歩いてくるのが音で見える。今日から針は1枚1本。5本使いました。晩ごはんは、ふろふき大根鴨味噌、鰆西京焼き、春菊の胡麻和え、かぶの甘酢漬け、かしわと大根とにんじんの炊き合わせ、けんちん風へぎそば。へぎそばは七味のりを入れるとなんでこんなに一層うまくなるのか。夜は園子さん編み物。あたくしは大東亜共栄圏の本、寝しなにくらもちふさこ「駅から5分」何気なく読みだしやめられなくなる。ほんまにスゴイ作品。

2009年12月10日(木)
長薗さん起床早し。オカユの朝ごはん食べ、長薗さんは奈良のおばさん宅へ。僕はノートに手書き。昼から寺町アーケードの額縁屋に園子さん念願のポスターの額を買いにいく。いざ店に来たら園子さん「やっぱポスターのサイズ確かめてきたらよかったネ」と混乱してしまい、店の人に電話帳で調べてもらってみなみ会館に電話し、ポスターのサイズはB全と判明、無事その額を買うことができました。家まで持って帰り、もっぺん橋を渡って重いものセンター。時間が早いせいか地味。家に帰ったら玄関に國田屋からハートランド届いている。風呂はいってから、ペングインズ、サム・クック、ストーミー・マンデイ・ブルースなど、6曲きく、というのは、針を3本使ったから(1本で2曲)。しかしあとで電話した湯浅さんによると、1曲で1本のほうがレコードの持ちがいい、とのこと。ソレハソーカ。ほうれんそう、ゆで玉子レタスきゅうりサラダ、野菜いろいろスープ、いわしのにんにくオリーブオイルソテー、牛素敵。ゲプ。クルセダーズ、フィル・スペクターのクリスマスアルバム、S&Gブックエンド。

2009年12月9日(水)
園子さん朝から家掃除。容積でかいのでこれがタイヘン。「飛ぶ教室」の荒井良二特集のための短編をギプスに油性マジックで書く。ギプスとは、2005年に松本で僕が足を折って、穂高温泉の宿・常念坊で仕事中の荒井良二さんに会いにいったとき、足にはめていたギプス。そのギプスをはめて、それ以外はもちろん全裸で、爆笑する荒井さんと一緒に温泉にはいったのだ(ギプスは浸からないようビニール袋でくるんで)。できあがった短編の題は「鳩」。3時過ぎに長薗さん来られる。家でお茶、お寺回りの話しをきいて、せっかくだからと蓄音機でSPかける。爆笑。プレスリーはどすけべ、マディ・ウォーターズはいちもつ岩男、トミー・マクレナンは唾。チャーリー・パーカーの音圧異様に高く、ポール・アンカは愛らしくそしてよくできている。エルモア・ジェイムズは家を揺さぶる地震。イヤハヤごっつい。これは聞かないとわからない。ポータブルなので方々に(重いけど)持っていって聞かせてまわろう。長薗さん、園子さんと一緒にガケ書房へ。「鶴見俊輔と囲む」シリーズ買う。國田屋さんまで降りていき、生ビール。たっくん相変わらず遊び熱中症。まぼろしの鉄砲で何回撃ち殺されたか。「コレコレたっくん、女の人の顔は撃ったらあかん。お尻にしときなさい」「ええねん、これ撃つふりだけや。怪我せえへん」。ふんぎゃ。木屋町を歩いてくだり、先斗町の余志屋カウンターへ。たこ、いか、鯛刺身、鴨まんじゅう、鴨ロース、てっぱい、牡蠣フライ、ぐじ釜飯、穴子釜飯。残ったごはんはおにぎりに。家でちょっと焼酎。三人風呂はいり、わりとすぐ寝る。

2009年12月8日(火)
オレの頭はかんざしが好きで、いつもフカフカフカ〜。起きてもまだつづいてるフカフカ気分。日中、マガジンハウスから送られてきたクロワッサンのエッセイ原稿まとめ読み。新しい創作をはじめてみる。昼過ぎ、神保町のレコード社よりコロンビアのポータブル蓄音機とどく。ついにココマデ、とロバのタメイキ。河出の坂上さんから電話あり加藤和彦追悼号に参加させてもらうことになった。光栄ナリ。園子さん昼からタオ指圧。わたくしは入れ替わりに3時から。5時過ぎ、日本酒と焼酎買いにいき、そのまま橋を渡って、ガラス張りのモリカゲシャツへ。自前のシャツやズボンを藍で染め変えてくれるというキャンペーンに参加。もってきたのは染みのついた園子さんからのお下がりのシャツと、昨日まではいてた歯磨きのついたジャージ。よろしいでっかこんなんで。染め終わったものは来年の初頭に一乗寺の書店恵文社で展示される。その展示用にジャージ姿などの写真撮られる。初ハッションモデル。うちに帰って風呂、晩ごはんは、かしわ鍋ウイズへぎそば。鰆西京焼き。茄子とミョウガとキュウリのお漬け物。食後に蓄音機かけてみて絶句。これまでのどんなオーディオより生々しい。園子さん地震が起きたかという顔で台所からすっ飛んでくる。ポータブルなのに、正味、家が揺れる感じ。電気を使わないからいわば自然音なのだ。プレスリーの唾がかかり、チャーリー・パーカーの息がにおう。蓄音機てノスタルジーと全く逆やった。録音された音楽を「いま」に直結し、「いま」を絶えず更新する機械、タイムマシーンやった。

2009年12月7日(月)
午前中掃除、いろいろ片付け、まるいちでマグロセット用の伝票をもらい、ソンジャーと手を大きく振って三崎口、京急。品川からのぞみに乗ったら園子さんが窓際の席で本を読んでいた。京都まで2時間チョイの間、加藤和彦追悼の雑誌読む。一週間ぶりの家は空気が落ち着いてまぼろしの猫らも薄ーく溶けているようだ。宮川町の歌舞練場で続木さんと待ち合わせ、富久屋で牡蠣フライ、続木さん海老フライ、園子さんポークチョップ。それから続木さんのお導きで、お座敷のまつもとへあがると、そこにはフカフカと光る時間が待ち受けていた。舞妓さんの富美苑さんと歓談していると続木さんのご主人と小桃さんがやってくる。そこで流れていた時間は明らかに時計で何時何分と切り取れるものでなく、くるっと光でまるまる包まれた、うつろいゆく華やぎの時間だ。絵や音楽の、ほんとうにすごいのは圧倒されるのでなく、ス、ス、とこちらが吸いこまれ、スー、と持っていかれ、気づけばまた元の場所に戻っている、という作品だと思うけど、なんかそれに近い、絶えず空気が明るく穏やかに入れ替わっているという空間が、お店のなかにたちあがっていた。11時半、続木さんのご主人の「船が出るぞー!」というかけ声に呼ばれ、フカフカとしたままタクシーに乗り、最寄りの交差点で落としてもらう。どんなおいしい料理屋にいっても楽しい宴でも帰りついたときは「ハー」と息をつき、ちょっとした疲れが心地よかったりするものだけれど、家の戸に手をかけたとき自分の疲れがふっとんでいるのに気づいた。どういうことが起きたのか正確にはわからない。けど、こういうことやからずっと長くそこにあり、そして宮川町の時間はこれからもきっとそのようににある。フカフカ。

2009年12月6日(日)
エーライええ天気。こういう日は城ヶ島に泳ぎにいって沖へ流されて救助されたいね。日中注文したのは、うるめいわし、なまこ、いしだい。家に帰って掃除。そして大量の日記を整理する。今年のことは今年のうちに。矢野さんから電話あり。6時半に食堂へ。すると宣さん親衛隊のふたりがたまたま来ていた。矢野さんははこふぐ、にしがい、めといかを注文。四人で囲むテーブルに並んだのは、いしだい刺、めと刺、さっと茹でたにしがい、うるめ塩焼き、はこふぐホイル焼き。はこふぐは家で味噌とネギを刻んで腹に押し込んでホイル焼きにしたことがあったけど、うまいもんですヨネ。夜は闇のジャズ爆音でかける。

2009年12月5日(土)
尾久で目覚め、荷物背負って品川。京急で三崎に着く頃雨がぽつんぽつん降りだし、まるいちへ駈けこみ、「いしいまるいちマグロセット」の打ち合わせを今晩しようと相談。傘を借り「それ」とめばるを指さす。家で創作。夕方にものすごい降り、というか嵐になる。稲妻が光る。ちょっとずつやんできて食堂へいくと、きれいに模様替えされていて大場さんは誇らしげかつ嬉しそうだった。こないだの温泉旅行の話をしながらめばる煮付け、ひらめ刺、このしろがついてきた。二階にあがると、のぶさんのコンピュータも模様替え、というか新調されていた。去年の反省から「お支払いは代引きのみ」「他の品を注文して同梱することはできない」ということがよくわかるよう、注文画面に詳しく書いておく。宣さんは意外にコンピュータの扱いが手慣れているがそれはネットで馬券を買っているから。家で久々にクリーム、ウォーカー・ブラザーズなど雨のようにかけ流す。

2009年12月4日(金)
お茶。唐物の行。絵柄のわからないジグゾーパズルを作っているような感覚。午後はお炭があり、小袋棚で薄茶を点てました。4時20分に辞去。都営新宿線に乗り、神保町へ行く途中の初台で、たくさん人が乗ってきた。けど新宿でどっと空き、席ががらあきになったので座ったら、隣に若い女性が座り、すぐさま持っていた文庫本を広げて読みはじめた。何の気ナシに見ると、どっか見覚えのある表紙で、誰の本やったかと思ったら自分の書いた「クーツェ」の文庫本でした。前に同じように隣に座った人の手に自分の本があって、「それ、わしの書いた本」といったらこちらを一切見ずにさっと席を立ち、隣の車輌へタッタッタ、とヒールを鳴らして歩き去った、ということがあった。なので今回はなんもいうまいか、いや、せっかくやし、といろいろ考え、本を閉じたタイミングやったらと思い、市ヶ谷あたりでサッと本を閉じはったので、アノ、と声をかけようとしたらガバリと腕を組んで寝てしまった。アウアウと口が鯉のようになり、あまりにいたたまれないので、次の駅で乗ってきはった体調の悪そうなおばさんにドウゾと席を譲ったら「助かります」といわれたが助かったのはこちらのほうだった。神保町で降りレコード社へ。HMVの蓄音機は売約済みだったけれど、「これもいいですよ」と技術の方に薦められたコロンビアの蓄音機、イヤー一目惚れ。振り返るとそこに園子さん、「しんじさんのクリスマスプレレントはこれですね」。蓄音機を扱う手ほどきを受け、来週京都の家に届けてもらうことに。イヤハヤ嬉しや。神保町の交差点で福永信さん、美術手帖の岩淵さんと待ち合わせ。編集部、書庫に行き、創刊号からずらりと「みずえ」や「手帖」のバックナンバーを見せてもらう。さぼうるでお茶をいただいたあと、大竹さんに電話したら、新宿で会おうよ、ということになる。池林房で集合。最初は大竹さん、園子さん、僕の三人。しかし宇和島の倫子さん、お嬢さんらももうすぐ来る。「湯浅くんも会いたいっていってたんだよな」、すぐに来る。池田さんも来る。矢野さんも来る。はからずも忘年会みたいになってしまった。奥のカウンターに移動してワーワー喋っていたらたまたま目の前に座ったのが同僚の方と一緒の静ちゃんで互いにビックリして跳ねた。こういうことがあるし東京はおもろい。大竹さんによる鉄道話すばらしい。1時半まで宴会はつづき、BMXへ行くという皆さんに手を振り、すばらしい犬好きの運転手さんのタクシーで尾久へ帰った。

2009年12月3日(木)
朝から歌舞伎座。宮藤官九郎作「大江戸りびんぐでっど」初日。最初の「くさや」でもう完勝。客席も舞台の上もみんなモノスゴク楽しそうに芝居に包まれ、うねったりのたくったりする。ゾンビが歌舞伎っぽいというのはほんとうによく見抜いたものだとあとから見てワカル。福助が絶叫、三津五郎がイキイキと動く。伊賀大介さんの衣装、しりあがりさんの舞台絵もサイコウ。最後の七之介はそれしかないだろうという盛り上げ方だった。終わったあと、茜屋コーヒーで散髪屋雑誌との新連載打ち合わせ10分で終わる。園子さんと合流し、銀座のバーロックフィッシュへ向かい、平松洋子さん、武田さんと合流。赤坂の超絶にデリケートな料理屋で、スパゲティ、牡蠣フライ、寿司等々おいしいく食べたあと、生きる伝説のバー、グリニッジへ。昨日船山さんに教えてもらったのだが、いま50周年キャンペーンをやっていて、たったひとりでやっているマスターが、常連客には挨拶文とネクタイを一本くださる。カウンターのそばでおめでとうございますと申し上げたらマスターは微笑み、ネクタイ、どうぞ自由にお選びください、といってくれた。ヨヨ。ゴッホのひまわりが書かれたネクタイいただく。平松さんの高知写真すばらしい。桂浜は太平洋を切り取る額縁だった。とんちゃんまた行きたい。

2009年12月2日(水)
朝ちゃっちゃと支度し10時過ぎののぞみで東京へ。フジサーン、フジサーン、と外人や子どもが怒鳴る車内。1時から千代田放送センターで週刊ブックレビュー。永江朗さんとは3ヶ月ぶり。青木るえかさん、野崎歓さんとは初対面。永江さんお薦めは「黒澤明という時代」、青木さんは「すずしろ日記」、僕は「通訳ダニエル・シュタイン」「音で観る歌舞伎」「JOHNNY TOO BAD 内田裕也」。最後のは二冊に分かれるので番組史上初四冊を紹介した。テイッテモ。収録後、マガジンハウスに移動して船山さん、さんと単行本の打ち合わせ。「おもしろいもの持ってるんですよ」と○○さんが机の上に置いたのは、ア、エ? 僕の手書きの名刺で、裏返すと「墨田区吾妻橋」の住所が書いてあった。昔朝日新聞社で会ったことがあったのだ。しかしこんな紙切れをようも捨てんと。船山さんは「いしいさん、住所や電話番号のレイアウトがまったく変わってませんね」と半ば呆れていた。打ち合わせ終わり、教文館の喫茶店でリトルモアの熊谷さんと合流。「雪」第7回ゲラチェック。火星人問題やら、アンモニア問題やら、未解決のまま残る。泰明小学校のそばの料理屋さんへ移動、船山さん、園子さん合流し、忘年会。アカガイツブ貝マグロぶり、イカなどの刺身完璧にうまい。その前に出てきた粕汁雑煮も素晴らしい。煮物もうまかった。湯浅さんからレコード社の件で電話あり。帰ってチョット焼酎。

2009年12月1日(火)
サー先生走りまっせー、ア、こけた。師走突入。朝から膨大にたまった日記整理。書評用の本よみ。午後、続木さんに空いたお弁当箱もっていくとマンションの下に麗人ふたりが待っていた。とある料理屋さんのうわさ話。「いしいさん髪が伸びてそういう格好(ダラーンと伸びたカーディガン)やったら、どこの女の人がこっち歩いてくるかとおもった」とのこと。國田屋で日本酒、焼酎を4合瓶で買い、家に戻るとクロワッサンの運動会号が届いたので辻くんの家へ届ける。あんまり来ないので園子さん電話してみると、今日はクロネコたちが異様に忙しいらしい。風呂にはいり、晩ごはんは、虫野菜、キャー、あ、蒸し野菜。豆腐と野菜のシャキシャキすまし汁、いくらおろし、鰆西京焼き、秘伝のたれを使ったプルコギ。久々にフォーク・クルセダーズをかけてゴー師走。

ごはん日記でおなじみの
「まるいち魚店」
▼新刊 発売中▼

●「四とそれ以上の国」(文藝春秋)より発売中

いしいしんじ

【PROFILE】
作家。大阪生まれ。現在、三浦半島の三崎と信州の松本に在住。著書に小説『ぶらんこ乗り』『トリツカレ男』『麦ふみクーツェ』『東京夜話』(新潮文庫)『プラネタリウムのふたご』(講談社文庫)『ポーの話』(新潮社)『みずうみ』(河出書房新社)など、エッセイ・対談『その辺の問題』(中島らも共著/角川文庫)『人生を救え!』(町田康共著/毎日新聞社)などがある。お酒好き。魚好き。メカおんち。きれい好き。

いしいしんじの水洗コーナー
2009.09.10
アトリエダンカン「トリツカレ男」
湯浅湾 港
主演の原田郁子×いしいしんじの対談です!
natalieの特集記事はこちら>
【最近の仕事 2/18更新】
▼ 出版予定 ▼
●単行本「赤ずきん」文いしいしんじ 絵ほしよりこ
(フェリシモ出版)
▼ 出演・催し物など ▼

●冬のメトロ大學「蓄音小説の会」
講師 いしいしんじ


第一部「その場小説」/第二部「蓄音ライブ」

前半、ステージの上で僕が小説を書きながらそれをライブハウスらしい爆音でマイクで読んでいきます。鉛筆を削る音や紙がこすれる音も拾います。
後半は、ブルース、ロックンロール、ジャズから得体の知れない音源まで、20世紀の様々な音楽の、オリジナルの音源であるSP盤を、最強の再生装置「蓄音機」でかけまくります。たぶん「レコード」に関して持っているイメージが爆発します。(いしい)

場所:京都クラブメトロ
日時:2月24日(水) 7:00PM 開場
7:30PM開講→9:20PM終講予定
入場料:1500円(1DRINK付き)
詳しくはこちら >>
ご予約メールはこちら >>
※公演日、お名前、メールアドレス、希望人数を明記の上お送り下さい。

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●いしいしんじの花まつり
@曹洞宗 萬亀山 東長寺


日時:4月8日(木) 開場19:30/開演19:45 
会場:曹洞宗 萬亀山 東長寺
東京都新宿区四谷4−34 TEL: 03-3341-9746
丸ノ内線新宿御苑・四谷三丁目駅/都営新宿線曙橋駅 各駅より徒歩7分

【内 容】
「その場小説」と「蓄音機」の二本立てです。まず、お経を詠んでもらったあと、小説をその場で書きながらマイクで読んでいく、ということをやります。どういうものになるか、その時になってみないとわかりません。原稿のコピーを一枚ずつ、来場した皆さんにさしあげます。それから、ブルース、ロックンロール、ジャズから 得体の知れない音源まで、20世紀の様々な音楽の、 オリジナルの音源であるSP盤を、 最強のタイムマシーン・蓄音機で聴いていただきます。「レコード」とは、こういう音がするものだったのか、と驚愕することうけあいです。
(いしい)

入場料:1500円
ご予約メールはこちら(住吉智恵)>>
お問合せ:東長寺 03-3341-9746

▼ 連 載 ▼
●「自転車日和」(辰巳出版)にて
エッセイ「自転車A面B面」
●「京都新聞」夕刊 第1・第3月曜日にて
「京都猫文字日記」 こちらでご覧いただけます>>
●「真夜中」にて長編小説「雪」
●「読売新聞」にて「本のソムリエ」(不定期)
●「クロワッサン」にてエッセイ「ああ驚いた」
●BAR FLOWにて小説
「みち子の叫び」(CLIPPING 310141)
スクラップブックを使った佐藤理との共同作品
「祝い酒」(POSTER 141310373)ポスターを使ったOSDとの共同作品
ほぼ、月一回連載中

BAR FLOW
港区赤坂8-13-19インペリアル赤坂一番館地下B102
TEL.03-5474-1885
(18時から26時まで営業、日祝休み)

▼ 寄稿・書評・コメントなど ▼

●週刊文春9月11日号に書評 
「四人の兵士」ユベール・マンガレリ著・田久保麻里訳
●別冊文藝春秋四月号にて短編小説
「渦」
●芸術新潮4月号にて紀行エッセイ
「バルザックの家とフジタの家」
●考える人春号にて海外小説
ベスト10アンケート+ドストエフスキー『白痴』エッセイ
同人誌「イルクーツク2」に小説
「塩浄瑠璃」

●別冊文藝春秋1月号に小説「峠」
●芸術新潮12月号にエッセイ
「踊るきのこ 南方熊楠の菌類図譜」
●週刊文春12月6日に書評
「灯台守の話」 (ジャネット・ウィンターソン著・岸本佐知子訳)
●別冊暮らしの手帖
「わたしの好きなインテリア雑貨」
にてエッセイ「わたしと本棚」
●かまくら春秋11月号にて
エッセイ「野性のエレキ」
●エスクァイア12月号にて
エッセイ「ハワイをやる」
●新潮社「波」11月号にて
「ジョン・アーヴィング『また会う日まで』刊行記念座談会」
●「圓太郎馬車」(正岡容著・河出文庫)に解説
●本の雑誌8月号にてエッセイ
「私のオールタイムベスト10 ばさばさと「めくって」きた本たち」
●飛ぶ教室夏号にて
短編「リキテンシュタインの法律」
●「西の旅」夏号にて短編小説「船」
●「パピルス」8月号にて短編小説「小包
●「ナンプレファン」8月号にてエッセイ「自分でも呆れる思いこみベスト9」
●東京人6月号にて座談会
「作家と画家、街の歩き方」
鬼海弘雄×大竹伸郎×いしいしんじ
●銀座百点五月号にてエッセイ「タッちゃんとカッちゃん」
●新刊展望五月号にて対談「『みずうみ』の水面と水底」(デザイナー・池田進吾氏と)
●ビッグイシュー日本版
69号にてインタビュー
特集「わからないからおもしろい」
全国のホームレスが駅前などで一冊200円で売っています。110円が販売者の収入になります。 
●「パウル・クレー 絵画のたくらみ」(新潮社・とんぼの本)にエッセイ「オルフェウスの庭で」


【e-mail address】
mail@mao55.net
【mao55編集部からお願い】
上記メールアドレスで、いしいしんじさんへ連絡をとられる方はメールのタイトルを「mao55編集部【いしいしんじのごはん日記】」と入れてください。「はじめまして...」、「○○と申しますが...」、「ご無沙汰して..」、「至急...」、「会ってもらえませんか」などのタイトルはジャンクメールと処理される場合がありますので、お願いいたします。

【主な著作】

●「三崎日和-いしいしんじのごはん日記2」新潮社より発売中
●「東京夜話」新潮文庫より発売中
●「いしいしんじのキューバ日記」マガジンハウスより発売中
●「いしいしんじのごはん日記」新潮文庫より発売中
●「雪屋のロッスさん」
メディアファクトリーより発売中
●「人生を救え!」
(町田 康 :いしい しんじ)角川文庫より発売中
●「人生を歩け!」
(町田 康 :いしい しんじ) 毎日新聞社より発売中
●「トリツカレ男」
新潮文庫より発売中

坪田譲治文学賞受賞作
●「麦ふみクーツェ」
新潮文庫


●「ポーの話」
新潮社

●短編集
「白の鳥と黒の鳥」
角川書店

文庫版「ぶらんこ乗り」は、新潮文庫の100冊にはいりました。
●『ぶらんこ乗り』
新潮文庫

●『絵描きの植田さん』
ポプラ社


●『プラネタリウムのふたご』
講談社


第18回坪田譲治文学賞 受賞作品
● 『麦ふみクーツェ』
理論社

●『トリツカレ男』
ビリケン出版)

【amazon.co.jpで買える
いしいしんじさんの著作本はこちら】


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