2016年8月

2016.09.27 update
2016年08月12日(金)

ひさしぶりに蔦屋で原稿。読売新聞「もったいない語辞典」とミシマガジン「きんじよ」。外は炎天。三条京阪近くのあずみ医院にいったら、当然のことながら、きのうの休日からお盆休みにはいってはった。しゃーなし。自転車で、やはりひさしぶりにシトロンブレへいき肉ランチ。夏休み、ということで、学生さんらが肉気さかんな食事会。うちに帰ったらひとひと園子さんは冷やソーメンをすすっていた。食後、ピアノ練習したり、トマトの数かぞえたり。ホームセンターのD2でメダカのエサと「茎わかめ」買い、誠光社へ。ひとひはここで「茎わかめ」のおやつ。ずっとこの本屋さんにかよいながら大きくなれるというのはうらやましいかぎり、ということで、堀部さんについでもらってビールをコップ酒。うちに帰って炎天下、ひとひはひさしぶりにプレイヤーの前へ。ドリフターズ「ミヨちゃん」「おこさ節」CKB「ベレット1600GT」などきいてるうち音がへんになる。僕は隣の部屋で掃除機かけていた。どーもへん、どーもへん、とおもって目を針に近づけると、グイッとまがっている。階段をおりるとき、ひとひにきいてみると、はじめは「えー、わからへん」といっていたが、途中から「ぴっぴが、カートリッジ、あげようとしたら、おとしてしまったん」と正直にいう。了解。園子さんとひとひお風呂。その間洗濯の用意、お膳、布団しいてまつ。晩ごはんは、サバのみりんぼし、ゴーヤチャンプルー、モロヘイヤおしたし、満願寺のじゃこ和え。ひとひ「まんがんじ、ぴっぴ、ぜんぶたべていい?」といって、ごはんにかけて、ほんまに全部たべる。サバも、モロヘイヤも。食後、一緒に「ディキシーと世界一の赤い車」よむ。ディキシーはイギリスっぽい犬なのです。

2016年08月11日(木)

くずはモールでおけいはんのテレビカーを運転。ほんものは、ゲームなんかとちがい、ちゃんと難しく、ちゃんと重く。だからこそ、からだの奥深くに「体験」として埋め込まれる。同じフロアにある、鉄道ファンのお店「ポポンデッタ」の充実ぶりには、ひとひのみならず、同伴のこの僕ですら衝撃をうけた。ひとひ、よくぞ正気で外へ出てこられたもんだ。お昼はラーメン、と決めたひとひに従い、くずはモールの食堂街のラーメン屋さん「煮干しラーメン、玉五郎」へ。ひとひ、またもや「ここにすみたくなってきた」発言。「きのうの、たいわんのおみせも、ここも、ほんまにすきになってしまった」。けいはん特急に乗ってひさびさに京都へ。暑いやろなあ、とおもって地上へ。ウワー! でろでろに溶けつつ、アスファルトを踏んでうちへ。すると「ん?」「あれ?・・・」ぜんぜん暑くないのです。クーラーより気持ちのいい、自然な冷気。ひとひもぼくも驚いて座敷へ。手を洗って畳にごろん。なーるほど、京町家ってほんま、夏向けにようでけてるわ。奥村さんが、どうぞー、と郵便物とアイスクリームをもってきてくれる。ありがとう&ごちそうさまです! シャワー浴び、いっそうのいっそうすっきりしてから、アイスつつきながら高校野球、そしてサンダーバードのまだ見てなかったやつ。町屋のさわやかさを堪能しているうち、だんだんと気温もあがってきたので、クーラーの効いた町屋のお座敷「ハイファイカフェ」に移動。きのう最後まで作る時間がなかったトレインショーティの「ラピート」を、真夏の工作みたいに机にひろげて作る。ひとひのまわり、はじめはお客さんが誰もいなかったのが、すすー、と増えてすぐに満員になり、そして我々が出るころにはほかに誰もいなくなった。うちでお風呂、掃除、洗濯物をたたみ、お米をとぎ、お膳の支度すませていると、園子さん帰宅。あーこれでやっとうちがもとにもどった。晩ごはんは、よこわとさよりのお刺身、揚げナス、おじゃこととんつくとん、もろキュー。ぬいぐるみ問答。大城くんのおかあさんから石垣マンゴーとどく。ハーイーサッサ、アーリーガタヤ! 南西にむかってまぼろしの猫もロバも手を、ひづめを、肉球をあわせる。

2016年08月10日(水)

きゅうきょ、もう一日大阪にいることになった。午前中、ひとひはゆっくり家あそび。千恵子おばあちゃんは、今日からふるさとの香川県仁尾のお屋敷へでかけ、夏の掃除を手がけなければならない。これがたいへんな屋敷で、たいへんな仕事なんですよ。くわしくは「四とそれ以上の国」参照。11時半、ご近所の「母」、材木さんが千恵子母を自動車で西田辺まで送ってくれることに。それに、僕とひとひも便乗。西田辺から御堂筋線でなんば。「いってらっしゃーい」と、新大阪にむかうおばあちゃんを見送って、南海電車の中央口の売店へむかい、組み立て式電車のおもちゃ「トレインショーティ」の、南海電車のシリーズを前に、ひとひ熟考。けど、きのう乗ったし、ほかとくらべてどないみても目立つし、しかも4両もはいってるし、ということで、ラピートに決定。「おひるはラーメンたべたい」というので、タカシマヤのレストラン街、台湾料理「ディンタイホン」へ。蟹チャーハンセット(小籠包つき)、チャーシュー麺。ひとひはすべてにぞっこん。「おとーさん、あまりにおいしすぎて、ぴっぴ、ここにすみたくなってしまったわ」。南海高野線で帰る途中、目的地の一個前の岸里で緊急停止。なんと、帝塚山の踏切で人身事故、とのこと。興奮気味のひとひとふたり、26号線まで歩いてタクシー、裏から坂をあがって帝塚山の駅前にでてもらうと、消防、警察の車両でごったがえしていた。こころのなかで手を合わせる。うちに着くや、ラピートの先頭車両を一台、あれこれ迷いながら制作。4時過ぎ、二度目の外出。天王寺から谷町線で天満橋。水陸両用バス「ダックくん」による、大阪観光。早めについて、バスのまわりをうろうろしていたら、運転手さんに声をかけられ、いろいろとアドバイスしてもらった。ひとひラッキー。運転手さん、自己紹介のとき「ジャニーズ事務所からきました」と笑わせ、ひとひはそれからもずっと「うんてんしゅさん、ジャニーズからきたのに、うんてん、すっごいうまいなあ」と感心至極。御堂筋から本町通、桜宮公園など通り、運転手さんが船長さんに交代。ざぶーん、としぶきをあげて淀川へ。30分ほど水上バスとして泳ぎまわったあとは、ふたたび陸上バスとなり、天満橋「はちけんや」の駐車場へ。ガイドさん、運転手さんとも、大阪らしくておもろく、ひとひはすっかり気に入ってしまった。晩ごはんは、あべのハルカスの13階、お寿司屋さん「すし萬」へ。ひとひは大人のお寿司盛り合わせを、わさびぬき、半分に切ってもらったひと皿、茶碗蒸し、お吸い物を完食。僕は大阪寿司盛り合わせを完食。チンチン電車でうちへ帰る。大阪を堪能できた一日。

2016年08月09日(火)

朝ごはんはパン。ひとひ元気に食べ、10時過ぎ、南海電車帝塚山からなんば。飲み物など買って念願の「ラピート」。ばんばん写真とりまくっている、行き先表示とか、禁煙サインとか、トイレとか。ラピートは細部がおもろいので鳥貝、ちゃう、撮り甲斐があるのだ。なんかかんやいうてる間に橋をわたって関西空港。総合受付で「こども連れで遊びにきたんですけどおすすめの場所ないですか」ときいたら、よくぞきいてくれました、てな感じで「スカイビュー、っていう、展望ホールがあるんです。お子さまだったら、そっちが、ぜったいおすすめです」とのこと。無料のシャトルバスで6分ほど。ビル二棟がまるまる展望用の施設になっていて、なかに、レストラン、カフェ、そして、こんな充実しているグッズ屋は世界じゅうのどこにもない、というくらい充実している飛行機グッズのお店が。迷いに迷ってマグネット。ANAのゴールデン、ビジネス、プロペラ機。帰りもラピート、すやすや眠り、うちに歩いてかえってチョイ風呂休憩。5時過ぎ、大阪のおばあちゃん、ひとひ、僕はまた高野線に乗り、天下茶屋で堺筋線に乗り換え、扇町のツバクロ食堂大阪へ。「おおさかえきから、よやくしました、なんじゃもんじゃです~」といって、ひとひが顔をかくしてはいっていく。炊き込みごはん、ナスの煮付け、ゴボウの天ぷらが最高。さらに驚いたのは、アデさん手製のココナッツアイスクリーム。これはデザートでなく、〆のひと品、最高の食事だとおもった。母も絶句。僕は自分のぶんを、追加で一人前追加した(半分はひとひ行き)。

2016年08月08日(月)

朝、きゅうきょ、園子さんは東京へ、僕とひとひは大阪へ向かうことがきまる。午前中、岡崎蔦屋で「和歌山県」の原稿、つづいて「ごはん探偵メシタロウ」。昼、うちに帰ってみんなでチャーハン。園子さん、いってきまーす、と東京へ。僕とひとひはシャワーを浴びて、おけいはんで淀屋橋、御堂筋線でなんば。「あした、ラピートのって、かんさいくうこういく」というアイデアが生まれ、早速、窓口でお昼前の指定席を買う。大阪のうちは冷房がきいていた! 録画してあった「探偵ナイトスクープ」の「ピタゴラスイッチ」の回をみて、お風呂。晩ごはんは、河上先生が釣ってきはった太刀魚の塩焼き。誰か釣ったかわからないメイタガレイの炙り。ポテトサラダ、たことれんこん。食後、夕涼みにライフへ。ピタゴラ装置みたいな、ちっちゃなゲームを買った。ひとひは夢中。熱中するとなんでもどんどんうまくなります。

2016年08月07日(日)

けっこう涼しい朝、とおもっていたら大間違い。朝ごはん終えて外に出てこぼれる「・・・なんやこれ」のひとこと。さっさと岡崎蔦屋。渡邊直樹さんから依頼があった和歌山原稿。書き終わるころ、近くのソファで「いしいしんじの本が、おもしろいねんて」と、若い女性たちの話し声がきこえ、どうしようかとおもった。僕の昔の著作を、ひとりの女性が友人のみなさんに、一冊ずつ詳しく解説してお薦めしてくれている。アリガタヤ盆踊り。お礼を申し上げ、下の蔦屋レジでサイン本。シアトルから京都に帰省中の女性でした。表にでると「・・・な、な、な」もうことばでない。こんな暑いところへよその町から来るひとは、もう、やめたほうがいいよ、ね、真剣。うちに帰ると、園子さんから「お財布もたないででてきたから、駐輪場から自転車だせない。いますぐ、出町柳にきて」とeメール。電話してみたら「いま、スイミングの細見コーチがとおりかかって、おかね、かしてくれたのー」とのこと。そらよかった。細見コーチありがとうございます。お昼ごはんはうちでケチャップスパ。食後、ひとひと並んで10分間おとなしく「ひるね」し、午後4時まで「いたみくうこう」の遊び。空港行きリムジンバスのペーパークラフトも作りました。4時半からKBSで「ころがるいしのおと」収録。ジャズ、ゴスペル、ヒルビリー。2週目にとりかかろうとして「あたらしいレコードでーす」と封をあけたら、フランスから届いた本の束だった。ボンジュール先斗町。うちに帰るとすぐにお客様。なんとツバクロのタカシさんが、夜中のサーフィン出発前に寄ってくれた。ひとひは有頂天で、つもる話、つもるミニカー、つもる絵本。近所のコンビニで、新幹線モルツを買って帰るといっそう興奮。各種サラダ、つばす、たこ刺し、アグー豚のラフテーなど。受賞式、お正月の写真や、シンデレラ・リバティの映像などみる。タカシさんは明日夜明けに那智の波にのる。いってらっしゃーい!

2016年08月06日(土)

宮古馬の「てぃーだ」くん。宮古のことばで「太陽」の意味。きのうは雨で、この日の朝に延期。とても眠そうな目でひとひを出迎えてくれた。馬上のひとひ、10分ほどの距離を進みながら、異様にうれしそう。京都かえってから、どや、馬。市場に寄って、レンタカーのヴィーくん、今日までずっとありがとう! 宮古の空港で僕と園子さんはA&Wのハンバーガー、ひとひはポテト。宮古から那覇、那覇から伊丹。ニーハオのひと、携帯電話でしゃべってたら飛行機飛ばれへんやんか! 注意したらお礼に、スチュワーデスさんから大量のANAポストカードいただく。リムジンバスの高速道路区間でひとひ就寝。最初は「なんや、こんなもんか」とおもっていた京都の炎暑、うちの2階にはいったら「うわ! なんやこれ!」と、黒煙みたいにはたいてしまった。すごいわ、こりゃ40度越えの熱気。いくら扇風機まわそうがおいつかない。かけっぱなしにしておいて、京都のおいしいおそば屋さん「つるや」さんへ。ひとひはいつものごとく「菜っ葉」を完食し、冷やしあまぎつね。園子さんは野菜天丼、僕は天ぷらそばのぬくいのん。だしにひたっていると京都に帰ってきた気がしみじみとする。携帯電話のベルが鳴り、出ると「もしもし、だしですけど」という。「もしもし、だし。きいてますか?」

2016年08月05日(金)

朝から雨。「一家で宮古島」4回目で初雨。「宮古島のオヤスミ」という感じ。ゆっくりホテルのごはん食べ、今日どうするか相談。隣の女子は「おんせんかー、水中かんこーせんかー、シーサーてづくりたいけんかー、あと、さんしん?」とかいっている。やっぱり温泉か。市場でマンゴーなど手配し、ヴィーくんでシギラビーチリゾートの「黄金温泉」へ。駐車場ががらがらで「えー、だれもいなーい」と園子さんが叫んだが、12時オープンなのだった。ガクリ。受付ロビーで待ち、12時から温泉プール。晴れてたら気持ちええんでしょうな。ぶつぶつぶつ、と大粒の雨。園子さん、ひとひのけのびの練習。まさかこんなところでスイミングの練習することになるとはおもわなかった模様。お風呂はいり、あがると、モーレツにからだがカユイ。温泉と海水の取り合わせって、イナバの白ウサギとおんなじになる。近くの、これぞ宮古島、という理想のカフェ「とぅんからや」で、ひとひは、もずく入りソーメン、マンゴースムージー。園子さんと僕はホットサンドを分け、グアバジュースとオリオンビール。それからひとひは車中で「香港タクシー」ききながら昼寝。起きてすぐ「おとーさんとおかーさん、ぴっぴもしってるひとがやってる、しゃれたおみせ」にむかう。ひとひはキョトン顔。お店にはいっても、対面してもキョトン顔。「ひとひくん、ひさしぶりやねー、こーして、たいこもってないと、わかんないかなー」「あ!」 ひとひの目、パチクリ、笑顔! うさぎやの「コータにいちゃん」は、近くで、この4月から、「SUBAKO」というお店をひらいている。料理はもとうさぎやの店長・料理番と、僕らがはじめていったころのうさぎやが、そのまま移ってきた感じ。ひとひ、あっという間になじんで、お店のなかをうろうろ。ちょうどお昼の部が終わるころで、コータにいちゃんも親身にひとひの相手をしてくれる。手作りのカフェで、こんなにうまくいってるところはそうそうない。「あー、きのう、ここにきたらよかったな」と園子さん。いや、きのうはまた、きのうとして。5時半頃、いってきまーす、と手を振り、サンエーでヨーグルト買ってからうさぎやへ。宮古最後の夜。もずくソーメン、うみぶどう、塩おにぎり、イカスミスパゲティ、宮古牛串カツ、パパイヤツナサラダ、かまぼこ盛り合わせ。いろいろお店をまわったけれど、重ちゃんのライブはやはり、下半身だけでなく安定感があっていちばん心地よい。ひとひは「オリオンビール」の歌と「おいシーサー」踊りがたいへん好きになった。そして、今日は「宮古まもるくん」の誕生日とあって、女の子のまもるくんが登場! 「あれ、まるこちゃんやんなあ」と、ひとひはさすがに、まもるくんファンらしい考察。「みやこ、みやこ、まもるくん!」の歌と踊りで宮古の夜は更け、そうしてあたらしい宮古の朝に、誰も気づかないまま接続される。おめでとう、まもるくん、おめでとう、宮古島!

2016年08月04日(木)

いやー、まさか。ほんまに、ウミガメがいてるとはおもわんかった。しかも、あんな近くに。インストラクターのまきのさんに引率され、うちの一家と、ちょっとお年を召したカップルが、ちゃぽちゃぽと、とある入り江に泳ぎだしていく。はじめのうち、干潮ということもあって、ものすごく浅い。ほとんどイモムシみたいな気分で這っていく。背がまったく立たない高さにやってきても、ひとひはシュノーケルをくわえたまま、誰もにむかって親指をグイと立ててみせる。そうこうするうちまきのさんが、洋上からちいさく、ひとひに声をかけた。「ここ、ここ」と海面下を指さし「ここ、カメ、いるよ」 ギョワー!と色めき立つ園子さん、一気に頭からとびこみ、犬神家のスケキヨ状態に。ウミガメは海底で藻をはんでいた。なくなるとフワーと浮上、海面で少し息をして、そうしてどこか見えない世界へ滑空!していく。はー堪能した。珊瑚礁の、極彩色のサカナたちの雲もすごかった。3時頃あがり、すくばり農園へ。地上最高のデザート、すくばり農園のマンゴーかき氷を、ひとひとひとつずつ。マンゴープリンたのんだ園子さんは時々氷にも手をのばす。きのうまでの借家スタイルでなく、今日から二泊ふつうのホテル住まいになった。部屋でさんざ電話し、そうしてやっと空いていた焼き肉屋。園子さんも僕も、焼肉口になっていたから。「うさぎや」さんのそばのその焼き肉屋は、園子さんが「うわあ」と笑ってしまうほど、けっこうなお店。ひとひの質問「おとーさん、なんで、こんなにここのおみせは、なかに、むしがいるん?」「なんで、こんなにトイレぼろぼろなん? わざと?」 お肉はいいお肉だった。園子さんいわく「焼き肉屋じゃなくて、お肉屋さんやればいいのに」。ひとひはカルビ、ロースごはんを完食。ふつうのライスは炊飯器がいい仕事をしていた。園子さんと分けるはずだった石焼きビピンパは・・・「ごめん、おれ、これいらんわ」と、たぶん知り合って以来はじめていったせりふ。だって、なんで石焼きビピンパの味が、まったくなくって、おまけにカレー風味やねん。帰りにスーパーでひとひのデザートを買って厄落とし。今日はウミガメに尽きる。明日はいよいよ、宮古島の最後の海。

2016年08月03日(水)

みやこ、れーすい、まーさつー。園子さんもひとひも、ずっと宮古に住みたくなってくる。しかし、「このちゅーがっこーいく?」ときかれると「いかへん!」とこたえるのだった。午前中、伊良部大橋の上から、ウミガメの親子三人連れを、人間の親小三人連れでみた。子は、イラブー(ウミヘビ)も発見した。乗馬体験と古謝そばの両方が水曜日定休だった。でも、くになか食堂があるからいいじゃないか。大盛りで有名なこの店の宮古そばを、ひとひはひとりで、しかもカウンターで、おとなっぽく平らげた。新城海岸に着いてヒャッホー。きのう「わおん」で会った、5歳になりたてのとわくんがいた。もぐったりすすんだり、もぐったりすすんだり。ひとひはこれまででいちばん長く海にはいっていた。「もー、つかれたわー」と、3時過ぎ浜にあがる。雲の上の誰かが大粒の雨でまっすぐに海と陸を叩きつける。シャワーを浴び、ヴィーくんに乗って「バンビーノ」のCDかけ「おとーさん、おかーさん、これ、きいといてね。ぴっぴ、ねるから。あ、おとーさん、ぴっぴ、いつもねてるへやじゃなくて、せんたくもんがあるほうのおへやに、ねさせといて」「わーった」3秒でスー。家に戻り、洗濯物のあるほうで寝かせ、園子さんは洗濯とシャワー。洗濯が全自動だと阿呆みたいに早いね。ひとひ目覚め、ともにシャワーあびてヴィレッジバンガード。きょうはCKBの新譜「香港タクシー」の発売日。京都から電話すると、宮古ヴィレバンの店長さんが発売日までに入れます、と約束してくれたのだった。真っ黒い、しぶいジャケット。香港風景と本牧と、宮古の海が重なる。晩ごはんは。一年ぶりの美ら美ら(ちゅらちゅら)。ひとひ、お刺身ごはんとクルクルポテト。僕と園子さんはソーメンチャンプルー、島らっきょの味噌炒め、ゲソの唐揚げ。ライブは、お店の「かつおさん」と(ひとひ、一年ぶりなのに、さっきシャワー浴びながら「かつおさんがいる、おみせやんなあ、と名前をおぼえていた!)フォークのおじさん。これぞ「島のライブ」という感じですばらしい。お座敷のとなりにすわった若いおとうさんおかあさん子どもさん三人連れ(かわいい3歳の女の子)。見せるミニカーの一個いっこに「あ、ランチアラリー」「やっぱFDかっこいいよね」「シビックのタイプRなんか、もうあるの!」などと、いちいち的確すぎるくらい的確に、CKB剣さんのときくらいのテンポでこたえてもらい、ひとひ有頂天。あとヴィーくんに乗り込みながら「おとーさん、きょうの、ちゅらちゅら、みやこきてー、いーちばん、おもしろかったわー」とのこと。結局そっちかい!

2016年08月02日(火)

はじめは、ゴーグルさえいやがった。スイミングで潜るのは慣れていても、海水の塩っ辛さは、5歳のまちっこにはどうしたって特別だ。去年も活躍した、はこめがね、ジャケット、浮き輪。これで、安全きわまりない姿勢で、宮古島の海のなかをのぞける。「あ、おさかな!」「いま、きいろいのんもいた」。少しずつ、少しずつ、「もっとクリアにみたくなる」。「おとーさん、こういう、かいすいめがねつけてるやん」と間近で話しかける。「くちに、くわえる、シュノーケル、やらなくてええから、この、めがねだけ、つけてみたら?」「うーん・・・」。じつは、園子さんと京都のおふろで試し、初日にこの新城海岸でためした。はめるとき、髪の毛にひっかかっていたいし、しかも、それでもゴムがゆるかったらしく、鼻のそばにどっと塩水があふれ、それですっかり「いや」になっていた。「だいじょうぶ」と保証する。「ぜったい、いたくないし、みずがはいってきーひんやりかた、おとーさん、しってるから。まず、めっちゃあさいとこにいこ」。ひたひたの浅瀬に立たせ、水中めがねのゴムを、ゆるゆるにゆるめる。その上で「ぎゅっ、て、じぶんでおさえとき! かおにくっつけといてな」と、自分で顔に押しつけさせたまま、ゴムのバンドを左右できゅ、きゅっ、としめる。これなら髪に引っかかって痛くなることはない。「そろそろ、そろそろ、いきとめたまま、めがねだけ、うみにつけてみ!」「・・・・・・う゛ぁっ!」水中でひびく、驚きの叫び。そう、水中めがねで海をのぞくのは、霧が晴れるのに似ている。曇り空に青い亀裂が走り、黄金色の光が一気にさしこみ、カーテンみたいにひろがっていく、そのさまに似ている。「う゛ぁー、う゛ぁー」。もともと去年から、海中をのぞいて泳ぎまわるのは好きだった。それで、スイミングで、ずっと顔をつけたまま泳ぎ回って、コーチ陣をあきれさせたのだった。水中めがねは、ちゃんとつければ、目は痛くない、鼻に水ははいらない、視界はこの上なくクリア。「へたれ」気味の五歳児が冒険するには、じつは、もってこいのツールなのだ。「この、くちにくわえるシュノーケル、まだ、いらへんやんなあ」「うん、いらへん! このままでいい!」あくまで現状維持の安楽を求めるのも、へたれさの特徴。けれども、好奇心と沖縄の海は、そんな及び腰も、じょじょにじょじに溶かしていく。さんご、岩場を見るだけでおもしろい。さかなたちがちらりほらりと出入りする。ちょうど、大潮の干潮。おとなが泳ぎ回るのはもう無理。けれども、五歳の初心者にはうってつけ。ふんだんに陽がさすなか、水色の光の群れが、そのからだのまわりを取り囲む。「ようこそ、ようこそ」と、出迎えるかのように。10分、20分、およぎまわるうち、息をとめて水中を見つめている時間が、だんだんと、しかし目に見えて、長くなっていく。「ぴっぴ、ちょっと」と声をかける。「あのな、いま、いきが、ちょっとしかつづかへんやん。この、シュノーケルって、くわえたら、ずっともぐったまま、いきができるんやけど、ちょっと、やってみいひん? おとーさん、もっといたるから。ためしに」「うん! やってみる」。くわえたのを、水面で、ぼくの手で支える。そのまま、横を立って歩いているが、そのうち、彼が泳ぐ速さに追いつかなくなってきて、僕もシュノーケルをくわえ、ぎりぎり隣を泳ぐ。ともに並んで見ている海の底の世界。腹を蹴られる。腕がこむらがえりをおこしそうになる。シュノーケルの意味が、五歳児に伝わるのに、5分とかからない。「じゃあ、ひとりですきなほうにおよげるように、すいちゅうめがねに、ぴっぴのシュノーケル、くっつけてみよか。おとなといっしょや」「うん、やってみよ」。さっきと同じ浅瀬で、すいちゅうめがねのゴムにシュノーケルをとおし、つけなおす。珊瑚の森までともに歩き、ざぶん、と飛び込む背を見送る。水色、黄色、オレンジ色。「おとーさん、いま、うみがめいた!」「え、そこのおじさんちゃうか?」。またしばらくおよいでから、おもむろに顔をあげ「いま、ナンヨウハギいた!」「なにいろやった?」「きいろのん、ナンヨウハギ?」「ああ、キイロナンヨウハギ、ちゃうか?」。そのままずっと、ずーっと、泳いでいる。珊瑚の迷路を抜け、日だまりのような海底に、色とりどりのさかなをみいだしながら。園子さんはずっと満面の笑みで「こっち、こっち!」と声をかける。4年前からずっと、園子さんは、ひとひとこれがしたかったのだ。がばり、顔をあげる。水中めがねで鼻のつまった声で、ひとひが叫ぶ。「おとーさーん! ぴっぴー、だんだん、うみ、すきになってきたー!」 そう、好きになればなるほど、海のほうもひとひを好きになる。滅多にみられないヒミツのふたを目の前でそっとひらいてくれる。五歳児にとって、すべてのリーフひとつずつがハリウッド映画や小説にひとしい。海とひとひの対話がこの日いよいよはじまった。「ずっと、ここにいる」「もっとおよぎたい」「ラーメン、おとーさん、おかーさんでいってきて。ぴっぴ、ここでまってるから」。わーらの宮古そばを食べ、午後にもうひと泳ぎ。装備にじゃぶじゃぶホースの水をかけ、砂だらけの足も洗いながしながら「おとーさん、きょう、たのしかったー! おきなわで、いちばん、たのしかったー!」 宮古の海が笑っている。帰りの自動車で寝息。借りている家のベッドに寝かせ、30分で起こす。晩ごはんははじめての民謡酒場、というより、民謡ライブハウス「わおん」へ。ご主人のこたろうさん、とても暖かく迎えてくれる。東京から宮古へ移住して十何年。うちの兄とほぼ同い年。ゴーヤチャンプルー、海ぶどう、タコライス、ラフテー、しまらっきょ、ひとひには子どもカレー。音量の大きなライブ。五歳の常連「とわくん」の、今日は誕生日で、お客さん全員でハッピーバースデイをうたう。ひとひも今日、たしかにうまれなおした。「おとーさん、ぴっぴー、おきなわにずっと、ひっこしたくなってきたわー!」

2016年08月01日(月)

朝起きて、宮古れーすいまさつ、宮古あさごはんは、一軒家だから、いつものうちのごはんと一見かわらない。でも、空気がちがうと別の料理になる。別の体験になる。トヨタのヴィーくんはすさまじい情熱をうちにこめている。ドアをあけはなしてその情熱を発散させたあと、この家の大家さんのペンション「 」へ、挨拶に。すると「さっかさんなんですって」といわれ、オオオ、とおどろく。青い眼鏡が印象的だったので、ネットで調べてみると・・・とのことで。宮古島でペンションを営むようなかたはネット達人なのだな、と実感。新城ビーチ。一年ぶり、でも、「わーら」のおにいさんの顔ぶれ、まったく変わってなくて、ひとひは嬉しい。赤ちゃんだったやまとくんの姿はなく、きけば、おかあさんが先日、次男をふるさとで出産したとのこと。9月になればビーチに戻ってくるそうです。さすが宮古島。さーて、ひとひは、もぐったり浮かんだり。けしてハックルベリーのようではない、ましてやタンタンをや。まあええやないか、笑ってクマノミ見られれば。お昼は宮古そばとたこやき。「みよしや」で、息をのむような、国際的、前時代的うつくしさの女性が働いていた。ハリウッド映画でももう失われた、北欧系の、たとえていうなら、イングリッド・バーグマンのような面立ち。そんなひとが、いま、宮古の透明な光のなかで「宮古そば、500円になります」。500円玉くん、よかったな。午後3時までいったりきたり、今日は風が強かった。「またあしたねー!」 真水のシャワー浴び、京都こどものひとひは、からだのうちは海でヘトヘト。今日もやっぱり、園子さん運転のヴィーくんに乗り込むや「スー、ススー」と寝息をたてだす。うちの(もう、うち、としか感じられない)ベッドに寝かせ、園子さんとひたり、ひさしぶりにくだらないテレビみてゲラゲラわらう。寝起きのひとひとシャワー、ビレッジバンガード、スーパーへとまわり、ひとひは念願のシビック・タイプRのトミカをゲット。晩ごはんは民謡酒場「あかがーら」で、イカスミ焼きそば、フーチャンプルー、海んちゅサラダ、紅芋素揚げなどなど。一年たって、まったく別の店みたいに変貌していて、園子さんも唖然。カワイラシイ女性がホールを飛び回る、陽気な気風だったのが、愛想のないヤンキー系のあんちゃんが、牛みたいに店内を回遊してる、といったような。それでも店長がきたら空気ガラリ。路上に立つおまわりさん人形「宮古まもるくん」が登場してさらに空気アップ。ひとひのなかでもここは「まもるくん」と「てんちょう」の店として特別なのだった。